政経演習41 国際紛争と難民問題

政経

共通テストの過去問を中心に演習問題を掲載しています。
解答・解説も含めて、参考になれば幸いです。

問1 難民受入れをめぐる記述として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 日本は,難民条約の採択された年にこの条約に加入した。
② 日本は,出入国管理及び難民認定法に基づいて難民を受け入れている。
③ 第三国定住は,難民を最初の受入国から別の国に送り,そこで定住を認める仕組みである。
④ 国内避難民は,紛争などから逃れつつも国境を越えていない人々で,難民条約上の保護対象に含まれない。

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解答➀ 【解説】①日本は難民の受け入れに消極的な姿勢を見せている。難民条約は1951年に採択されているが、日本が批准したのは1981年のことである。

問2 内戦についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① ボスニア・へルツェゴビナが,内戦によって七つの国に分裂した。
② スーダンで内戦が激化し,同国南部が分離独立を果たした。
③ ルワンダでは内戦が勃発し,現在も無政府状態が続いている。
④ 東ティモールが,マレーシアからの分離独立を果たした。

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解答② 【解説】①旧ユーゴスラビアが分裂をし、そのうちの1つがボスニア・ヘルツェゴビナである。②南スーダン共和国として独立を果たしたものの、内戦状態が続いたため開発が遅れており、不安定な状況である。③ルワンダ内戦は過激派を追放し平和を回復している。④東ティモールが分離独立を果たしたのは、インドネシアからである。

問3 難民に関連する記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 難民条約上の難民には,貧困から逃れるために国境を越えてきた人々も含まれる。
② 日本は,難民条約に加入していない。
③ 難民と並んで国内避難民も,国連難民高等弁務官事務所は支援の対象としている。
④ 難民条約は,第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の時期に採択された。

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解答③ 【解説】①経済的な理由で逃れてきた人々は含まれない。②日本は遅れたものの難民条約に加入している。④難民条約は1951年に採択されており、第二次世界大戦後である。

問4  次の文章中の空欄 ア ・ イ に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを,下の①~④のうちから一つ選べ。

冷戦後,地域紛争や民族紛争が国際安全保障の大きな課題として浮上した。その中で,大規模な人権侵害を防止するため,内政不干渉の原則の例外として軍事力を用いて対処する事例もみられる。そのような対処を ア というが,その是非や効果については議論がある。
また,地域紛争や国際的なテロリズムなどの新たな課題に対処するには,軍事力による伝統的な安全保障のアプローチだけでなく,新しいアプローチが重要になる局面も多い。たとえば,敵対勢力間の和解,紛争地の経済復興や法制度の整備,戦闘員の社会復帰などを支援する イ がこれに含まれる。

① ア 人道的介入   イ 平和構築
② ア 人道的介入   イ 新思考外交
③ ア 封じ込め政策  イ 平和構築 
④ ア 封じ込め政策  イ 新思考外交

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解答➀ 【解説】ア:封じ込め政策は、冷戦下のトルーマンドクトリンが代表的。(アメリカによる共産主義の封じ込め)文章には適さない。 イ:新思考外交とは、冷戦終結期にソ連のゴルバチョフが緊張緩和的な外交へ舵を切った一連の外交を指す。ドイツ統一や東欧の民主化などが具体例。

問5 難民条約についての記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 経済的理由で国外に逃れた人々は,難民条約で保護の対象となる。
② 国内避難民は,難民条約で保護の対象となる。
③ 難民条約は,冷戦終結後に多発した紛争による難民問題に対応するために締結された。
④ 難民条約は,迫害されるおそれのある国に難民を送還してはならないと定めている。

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解答④ 【解説】④難民条約の中には、難民をいかなる理由があっても、再び生命や自由の危険のある国に送り返してはいけないとする「ノン・ルフールマンの原則」がある。①②難民条約では、経済難民や国内避難民は、保護の対象外である。

問6 民族紛争の例である次のA~Cと,それらの説明である下のア~ウとの組合せとして正しいものを,下の①~⑥のうちから一つ選べ。

A コソボ紛争
B パレスチナ問題
C チェチェン紛争

ア 多民族が暮らす連邦の解体過程で建国された共和国の自治州で,内戦が発生し,
アルバニア系住民に対する迫害が行われた。
イ ロシア南部のカフカス地方で,独立を宣言した少数民族に対し,ロシアが独立を認めず軍事侵攻した。
ウ 国家建設をめぐる民族間の紛争が発端となり,数次にわたる戦争や,インティファーダという抵抗運動が起こるなど,争いが続いてきた。

① A―ア  B―イ  C―ウ  ② A―ア  B―ウ  C―イ
③ A―イ  B―ア  C―ウ  ④ A―イ  B―ウ  C―ア
⑤ A―ウ  B―ア  C―イ  ⑥ A―ウ  B―イ  C―ア

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解答② 【解説】A:コソボは旧ユーゴスラビアの一部であり、アが適当。B:パレスチナ問題は、元々住んでいたパレスチナ(アラブ人)と、新たな国家を建設しようとしたイスラエル(ユダヤ人)による民族紛争。そこに米国や中東諸国が介入し、大きな国際紛争となっている。C:チェチェン共和国はロシア西部に位置しており、独立を求めるチェチェンとそれを認めないロシアとの間で争いが起きた。

問7 国家の分裂は,その過程で民族紛争を激化させ,民衆の生活を破壊することが多く,また,紛争が周辺諸国に波及すれば国際平和への脅威ともなる。ある民族への深刻な抑圧や人権侵害が繰り返されるような場合は,民族自決による新国家の設立が国際社会からも支持されやすくなるだろう。

この文章の主題と密接な関連性をもつ出来事として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① アメリカ同時多発テロの発生
② 南スーダン共和国の成立
③ 世界遺産の登録件数の増加   
④ 北極海における海氷の減少

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解答② 【解説】②スーダンは、内戦を経たのちに住民投票が実施され、民族・宗教的に対立していたスーダンからの分離・独立を果たした。

問8 地域・民族紛争が起こった国への対応についての記述として最も適当なものを,次の①~④から一つ選べ。

① 国際連合(国連)は,侵略行為をした国に対して軍事的強制措置をとらなければならない。
② 国連加盟国は,国連のPKO(平和維持活動)に対して要員を派遣しなければならない。
③ ユーゴスラビアでのコソボ紛争において,NATO(北大西洋条約機構)が空爆を行った。
④ 湾岸戦争において,アメリカを中心とした多国籍軍が安全保障理事会の決議による容認のないままに武力行使を行った。

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解答③ 【解説】③コソボ紛争の際、ユーゴスラビアのセルビア部隊がコソボへ掃討作戦を展開したとして、NATOはユーゴスラビアのセルビア勢力に対して空爆を行った。セルビア勢力がコソボから撤退したことで、空爆は停止している。

問9 次の図は世界で起きたいくつかの紛争や戦争の場所を示したものである。図中の場所A~Cと説明ア~ウとの組合せとして正しいものを,下の①~⑥のうちから一つ選べ。

ア 領土帰属を争う隣国同士が戦争や核開発競争を行い,テロ事件も引き起こされた。
イ 連邦国家内で,独立を求める共和国に対して連邦政府が軍を投入した。
ウ ベルギーからの独立後,多数派と少数派の間で内戦が起こり,大規模な虐殺が行われ多くの難民が発生した。

① A―ア  B―イ  C―ウ
② A―ア  B―ウ  C―イ
③ A―イ  B―ア  C―ウ
④ A―イ  B―ウ  C―ア
⑤ A―ウ  B―ア  C―イ
⑥ A―ウ  B―イ  C―ア

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解答⑥ 【解説】ア:隣国や核開発競争というキーワードから、インド・パキスタンを連想して欲しい。場所はC。 イ:連邦国家と共和国がキーワード。ロシア連邦とチェチェン共和国のことを言っている。場所はB。 ウ:「多数派と少数派の内戦」や「虐殺」がキーワード。ツチ族とフツ族による内戦が激化したルワンダ内戦である。場所はA。

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