政経演習19 市場のしくみ

政経

共通テストの過去問を中心に演習問題を掲載しています。
解答・解説も含めて、参考になれば幸いです。

問1 地球環境は,非競合性と非排除性という性質をもつ公共財に分類されることがある。公共財の性質の一つである非排除性についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 他の人々の消費を減らすことなく,複数の人々が同時に消費できる。
② 価格が上がっても,需要量はあまり低下しない。
③ だれも利用を制限されない。
④ 供給量が不足しても,価格が変化しない。

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解答③ 【解説】非排除性とは、一部の人間の利用を制限できない性質を指し、③が適当である。具体例で言えば、一般道路や堤防など。一部の人だけ使用できないようにすることが難しいものが非排除性をもつものである。

問2 市場の機能や限界についての説明として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 寡占市場では,市場による価格調整がうまく働くので,消費者が買いたいものが割安の価格になる。
② 生産技術の開発や生産の合理化によって生産費用が低下しても,価格が下方に変化しにくくなることを,逆資産効果という。
③ 鉄道のように初期投資に巨額の費用がかかる大型設備を用いる産業では,少数の企業による市場の支配が生じにくい。
④ 寡占市場で価格先導者が一定の利潤を確保できるような価格を設定し,他の企業もそれに追随するような価格を,管理価格という。

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解答④ 【解説】①寡占市場では、少数の企業で競合が少ないため、価格競争が起きにくい性質がある。値段以外の面(パッケージやCMなど)で競争をする。=非価格競争 ②価格の下方硬直性という。③少数の企業による支配が生じやすい。

問3 外部不経済の例として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 猛暑が続き,飲料メーカーの売上げが上昇した。
② ある企業の財務情報の不正が発覚し,その企業の株価が下落した。
③ 新しい駅の建設によって駅周辺の環境整備が進み,不動産価格が上昇し,不動産所有者の資産の価値が増加した。
④ 大規模娯楽施設の建設によって交通量が増え,近隣住民は住宅の防音対策をしなければならなくなった。

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解答④ 【解説】外部不経済とは、市場以外の要因によって悪影響を及ぼすこと。①③は好影響を与えており外部経済という。②はその企業が行ったことでその企業の株価が下落している話であり、外部からの要因があった訳ではない。

問4 市場の失敗の例として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① アパレル業者が,正規品として販売できないB 級品をアウトレットショップで安く販売した。
② スマートフォンなどの普及に伴い情報を簡単に取得できるようになったため,電子辞書の専用機器を製造する工場が閉鎖された。
③ 高級フルーツの人気が国外で高まり,その果物の作付面積が拡大して生産量と輸出量が増加した。
④ 周囲の反対運動にもかかわらずショッピングモールが建設され,自然豊かな里山が失われた。

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解答④ 【解説】市場の失敗とは、市場の機能が働いていても効率的な経済が達成されない現象を指す。①③は市場の機能が働いている状態。②も情勢に合わせて工場を切りかえる試みであって市場の失敗とはいえない。④のような環境破壊の他にも、独占・寡占、買い手の知りえない商品情報を売り手がもっているなどの情報の非対称性、商品品質の低下などが市場の失敗の例である。

問5 市場における非価格競争の例として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 同業他社との間でカルテルを締結して,生産量の割当てを行う。
② 人気俳優をテレビ広告に起用して,製品の販売拡大を図る。
③ 他社と同じ性能をもつ製品を,より安い値段で発売する。
④ 政府が定めた価格で,決められた規格の商品を販売する。

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解答② 【解説】②の他にも、パッケージの工夫や特典の追加、品質の向上などが、非価格競争の事例である。

問6 公共財は,非競合性と非排除性とを有している財・サービスと定義される。非競合性についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 他の人々の消費を減らすことなく複数の人々が同時に消費できる。
② 需要が減少しても価格が下がらない。
③ 対価を支払わない人によっても消費される。
④ 生産を拡大すればするほど単位当たりの生産費用が低下する。

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解答➀ 【解説】使える人と使えない人がいる状況を、競合という。スーパーで買うものなどは、売切れたりお金が無い場合は購入することが出来ず、競合性があるということになる。

問7 寡占市場がもつ特徴についての記述として適当でないものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 管理価格とは,市場メカニズムによらずに,価格支配力をもつプライス・リーダーが人為的に決定する価格のことである。
② 価格の下方硬直性とは,生産技術の向上などで生産コストが低下しても,価格が下方に変化しにくくなることである。
③ 非価格競争とは,デザイン,広告・宣伝といった手段を用いて,価格以外の競争が行われることである。
④ カルテルとは,資本の集中・集積が進み,同一産業内での企業合併が起こることである。

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解答④ 【解説】④カルテルとは企業同士が価格維持のために結ぶ協定のことを指す。企業合併はトラストという。

問8 市場の失敗を示す事例とは言えないものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 高層ビルが建設されたことによって,隣接する農地の日当たりが悪くなり,収穫量が減少した。
② ある都市の上下水道を複数の民間企業が運営していたが,他社が撤退したために,残る1社のみが価格と供給量とを決定するようになった。
③ アイスクリーム工場において,生産の効率化が進展した結果,アイスクリームの価格が下落した。
④ ある企業が灯台の経営を計画したが,航行する船からの料金徴収が難しいので,その計画を断念することになった。

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解答③ 【解説】③生産効率が上昇し、供給量が上昇したことによって価格が下落、という流れは市場の機能によるもの。

問9 法制度の整備・改革の一つとして,日本では1997年に独占禁止法の改正が行われた。その内容またはその後の状況についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 独占禁止法に基づいて設置されていた公正取引委員会が,廃止された。
② 戦後禁止されていた,事業活動を行わない持株会社の設立が解禁された。
③ 2000年代前半には,M&A(企業の合併・買収)の件数が急減した。
④ 2000年代後半には,六つの大銀行を中心とした企業集団が誕生した。

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解答② 【解説】独占禁止法は、戦後財閥による過度な集中を避けるために成立した法律。当時は持株会社の設立も禁止されていたが、バブル景気以降は競争力のある企業が求められる情勢を踏まえ、1997年に改正されている。

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