政経演習10 国会の組織と立法

政経

共通テストの過去問を中心に演習問題を掲載しています。
解答・解説も含めて、参考になれば幸いです。

問1 日本国憲法は,国会議員が独立して職責を果たし,国会の審議の自律性を高めるために,国会議員の身分保障や特権について規定している。このような身分保障あるいは特権についての記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 議院内の秩序を乱したことを理由に国会議員を除名する場合には,所属する議院において,出席議員の過半数による議決が必要である。
② 国会議員が国庫から受ける歳費については,その任期中に,減額することが禁止されている。
③ 国会議員は,法律の定める場合を除いては,その任期中において,逮捕されず,訴追されない。
④ 議院内で行った演説や討論あるいは表決について,国会議員は議院外で責任を問われない。

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解答④ 【解説】①国会議員を除名する場合には出席議員の3分の2以上の賛成が必要。②歳費特権は国庫から相当額(一般職の国家公務員の最高額以上)を受け取ることであり、減額が禁止されているわけではない。③国会の会期中に逮捕されない規定はあるが、任期中ではないことに気を付ける。

問2 国会の審議を活性化するために,日本において現在採用されている方策についての記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 首相と野党各党の党首とが一対一で討論する党首討論制度(クエスチョン・タイム)が,国会に設けられている。
② 首相は,国会の本会議のみならず,すべての常任委員会の審議に出席することが義務付けられている。
③ 野党が国民に政策の選択肢を提示できるように,「影の内閣」を組織することが国会法で義務付けられている。
④ 国会の審議において専門的な知識が活用されるように,行政官庁の官僚が大臣に代わって答弁する政府委員制度が設けられている。

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解答➀ 【解説】③影の内閣はイギリスで実施されているが、日本ではこのような組織は無い。④国会の審議が官僚頼りになっていることを懸念して、1999年に政府委員は廃止された。代わりに2001年には副大臣と大臣政務官が導入され、政治家主導の政治を目指している。

問3 日本国憲法の定める国会の手続についての記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 参議院が衆議院の解散中にとった措置には,事後に,内閣の同意を必要とする。
② 衆議院で可決された予算を,参議院が否決した場合には,両院協議会が開かれなければならない。
③ 衆議院で可決された法律案を,参議院が否決した場合でも,国民投票にかけて承認が得られれば,法律となる。
④ 参議院が国政調査権を行使するためには,衆議院の同意を得なければならない。

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解答② 【解説】②両院協議会が開かれ、審議がまとまらない場合には衆議院の議決が優先される。③国民投票は憲法改正の際に実施される。法律案は衆議院が出席議員の3分の2以上の賛成で再可決することによって法律となる。④国政調査権はいずれの院でも行使できる。

問4 日本の国会の運営にかかわる制度A~Cとその目的ア~ウとの組合せとして正しいものを,下の①~⑥のうちから一つ選べ。

A 委員会制度   B 公聴会制度   C 両院協議会

ア 専門家や利害関係者の意見を聞くため
イ 衆議院と参議院の議決が一致しない場合に意見を調整するため
ウ 効率的に審議を行うため

① A―ア B―イ C―ウ  ② A―ア B―ウ C―イ  ③ A―イ B―ア C―ウ
④ A―イ B―ウ C―ア  ⑤ A―ウ B―ア C―イ  ⑥ A―ウ B―イ C―ア

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解答⑤ 【解説】効率的に審議を行うため、常任委員会や特別委員会が設置されている。少数の専門知識を持つ議員で審議したうえで、本会議で最終決定を行う。

問5 衆議院の解散についての記述として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 内閣は,天皇の国事行為に対する助言と承認を通して衆議院を解散できる,という憲法運用が定着している。
② 内閣は,衆議院が内閣不信任決議を行わなくても衆議院を解散することができる,という憲法運用が定着している。
③ 衆議院の解散総選挙後,一定期間内に,特別会が召集されなければならない。
④ 衆議院の解散後,国会の議決が必要になった場合,新しい衆議院議員が選挙されるのを待たなければならない。

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解答④ 【解説】④衆議院の解散中に議決が必要となった場合は、参議院が代わりに議決を行う。

問6 会期をめぐる記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 特別会では,内閣総理大臣の指名が行われる。
② 臨時会の召集は,両議院の議長が決定する。
③ 常会では,次年度の予算の審議は行われない。
④ 会期は,延長されない。

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解答➀ 【解説】②臨時会は、内閣または衆参いずれかの議院で総議員の4分の1以上の要求があった場合に開催される。③常会は新年度の予算案が主な議題となる。④常会は1回、臨時会と特別会はそれぞれ2回延長することができる。

問7 国会の議員に認められている日本国憲法上の地位についての記述として誤っているものを,次の①~④うちから一つ選べ。

① 法律の定める場合を除いて,国会の会期中逮捕されない。
② 議院内で行った演説について,議院外で責任を問われない。
③ 法律の定めるところにより,国庫から相当額の歳費を受ける。
④ 議員を除名するには,弾劾裁判所の裁判が必要となる。

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解答④ 【解説】④弾劾裁判所は裁判官を罷免するときに実施するものであり、国会議員を除名するためではない。国会議員を除名する場合は、出席議員の3分の2以上の賛成が必要。

問8 衆議院の権限またはその優越についての記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 衆参両院の議決が異なる法律案は,両院協議会でも成案が得られない場合,衆議院の議決が国会の議決となる。
② 参議院で否決された予算案は,衆議院の出席議員の3分の2以上の賛成で再可決された場合,成立する。
③ 内閣不信任の決議権は,衆議院のみに付与されている。
④ 衆議院は,条約の先議権を付与されている。

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解答③ 【解説】①法律案はより慎重な議決が求められ、衆議院で出席議員の3分の2以上の賛成があった場合に再可決できる。②➀と異なり、予算案については衆議院の決定がそのまま採用される。④条約の先議権は特にない。先議権といえば予算案が適当。

問9 国会についての記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 国会は,憲法上「唯一の立法機関」であるが,条約は法律ではないので,国会には内閣が締結する条約の承認権はない。
② 国会は,憲法上「唯一の立法機関」であるが,内閣は,法律案を作成して国会に提出することができる。
③ 憲法上「衆議院の優越」が認められているものの,予算案は参議院に先に提出することができる。
④ 憲法上「衆議院の優越」が認められているので,参議院には内閣総理大臣の指名権はない。

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解答② 【解説】②これが正解。内閣が提出する法案は与党の集団によって作成されたものであり、議員が提出したものよりも圧倒的に成立率が高い。①国会が条約の承認を行い、内閣が締結する。③予算の先議権は衆議院がもっている。④参議院にも首相の指名権はある。ただし、意見が異なった場合には衆議院の意見が採用される。

問10 民主的な意思決定は,さまざまな場面で行われている。日本の政治制度について日本国憲法が定めている意思決定の方法に関する記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 国会議員を除名するには,その議員が所属する議院において出席議員の3分の2以上の賛成が必要とされる。
② 憲法改正の承認には,国民投票において投票総数の3分の2以上の賛成が必要とされる。
③ 内閣不信任決議案を可決するには,衆議院において出席議員の3分の2以上の賛成が必要とされる。
④ 条約の承認には,両議院において出席議員の3分の2以上の賛成が必要とされる。

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解答➀ 【解説】②憲法改正の国民投票は過半数の賛成が必要。③過半数でよい。④衆議院で過半数の賛成があればよい。もし参議院で否決された場合でも、衆議院の議決が国会の議決となる。

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