政経講義63 円高・円安をわかりやすく

政経

本単元のポイント
⑴円高・円安とは何か?
⑵どんな出題パターンがあるのか?

本まとめの用語表記

赤蛍光ペン…共通テスト頻出の最重要単語

黄下線ペン…共テ応用問題や私大入試で抑えるべき

円高円安とは

そもそも、円高円安とは何か?という話から。円の価値が上がる・下がるという考え方そのものでつまずく子も多いので、できるだけ丁寧に説明していきます。理解できている子はどんどん読み進めてください。

まず基本的な単語の整理から。ご存じの通り、日本では円、アメリカではドルというように、世界各国では異なる通貨が使われているが、その交換比率のことを外国為替という。昔はこの比率が固定されていたが、現代の経済は変動相場制を採用しており、1ドルは何円と交換できるのか?1円は何ユーロと交換できるのか?というレートが、日々変動している。

では、なぜ価値が変動するのか? → それは需要と供給のバランスによるもの。

お金の価値と言われると混乱するかもしれないが、結局は店の商品やオークションと同じ理論です。人気が高いものは価値が上がるし、売れ残るものは価値が下がっていく。お金も同じで、世界中で「アメリカのお金(ドル)に交換したい!」という人が増えれば、ドルの価値は上がるし(=ドル高)、「日本のお金(円)を手放したい…」という人が増えれば、円の価値は下がる(=円安)ことになります。

ちなみに、円高・円安はどちらが正義かというものではありません。例えば、円安が進めば輸出が有利に働き、海外を相手にする企業は得をします。円高が進めば同じ日本円でも海外の価値が上がるため、海外へ旅行する人にとっては得をすることになります。どちらも一長一短なわけですが、気を付けたいのは「為替を安定させること」。急激に円高や円安が進行した場合、物価や金利に影響を与え、経済が混乱するため、その際は日本銀行や日本政府が調整を行うこともあります。

円高円安の基礎

では、ここからは、大学入試レベルに対応できる知識を付けていきましょう。まず下の図を見て、どちらの矢印が円高か?円安か?を 考えてみよう。1ドル100円を基本にして、左右どちらが円高でしょうか。

わかりましたか?実際には1円上下するだけでも大慌てものであり、2倍や半分になるような急騰(急落)は起こりえないものですが、分かりやすいようにこの数字で例えさせていただきます。

よくわからない人は、1ドルのアメリカ産リンゴを買うことをイメージしてみましょう。

イラストのように、左方向が円高、右方向が円安となります。1ドル100円が50円に下がったから円安!と勘違いしないように気を付けましょう。下の関係図は、今後の問題を解くときにも武器になります。次の「政経講義64円高円安の演習」にて紹介するので、是非ともこの図だけは覚えておいてください。円高円安の問題が出たときに頭が混乱してしまう人は特に、この図を空いているところに書き込むと安心です。30秒くらい時間が取られるかもしれませんが、問題は非常に解きやすくなります。

円高円安の攻略図

円高円安の出題対策

では、どのように出題がなされるか。出題パターンは2つに分けられます。

➀は要因を問うもの。例えば、「日本の貿易収支が大幅に黒字になった」「海外からの投資額が増加した」という事項が、円高・円安どちらに作用するのかを考える問題が主流となります。②は影響を問うもので、「円高になった場合、国内への旅行客はどうなるか」「円安になった場合、輸入品の値段はどうなるか」という問題が主流となります。

先ほどおススメした攻略図は、主に➁のパターンの問題で活用します。

基本はこのどちらかのパターンしか出ませんし、それぞれで解き方・考え方が異なるため、まずはパターンを見分けることから始めてみましょう。

▼まとめ

まずは基礎中の基礎から。ここでつまずくと大混乱となってしまうため、理解できるまで読んでおいてください。

実際にどのように演習問題を攻略していくかについては、次回のまとめ「政経講義64円高円安の演習」にて紹介しますので、しばらくお待ちください。

授業プリントはコチラから!→ プリントダウンロード
過去問演習はコチラから!→ 政経演習45為替相場のしくみ
一問一答はコチラから!→ 一問一答08 国際収支・為替

Follow me!

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました