なぜ経済学部で「後悔」する人がいるのか?
こんにちは。今回は長い進路指導の経験を生かし、大学選びに関する記事を書きたいと思います。高校生の皆さん、保護者の皆さんは、大学選びに悩みますよね。多くの学校で設置されているため、「みんなが行くから何となく経済学部」という人もいるのではないでしょうか。
そんな生徒がやりがちな志望校選びが、「偏差値ランキング」で狙えそうな大学、憧れの先輩が合格した大学、まわりのみんなが目指している大学、というような、主体性の無い選択です。今回は、そんな皆さんに向けて、「経済学部で後悔しない!偏差値だけじゃ見えない大学の選び方」を解説します。
偏差値だけじゃダメ!大学選びの3つのポイント
後悔しないために、偏差値以外の3つのポイントを意識しましょう。
1.経済学部の「種類」を知ろう!
経済学部にも種類があります。
- 理論経済学: 数学モデルで分析(論理的思考力UP!)
- 応用経済学: 経済問題を解決(実践的なスキルUP!)
- 経済史: 歴史から学ぶ(歴史好きにオススメ!)
- 国際経済学: グローバルな視点(国際的な仕事に興味がある人向け!)
上にもあるように、文系大学と言いながら「数学的思考」を必要とするのがポイントです。苦手な人・嫌いな人にとっては、合わない講義内容も多くなってしまうかもしれません。
2.大学の「特色」をチェック!
大学には独自の特色があります。
- 研究室: 興味のある分野の研究室があるか?
- 留学制度: グローバルな視点を養えるか?
- インターンシップ: 実践的な経験を積めるか?
- 就職支援: キャリア形成に役立つか?
このあたりの情報は、パンフレットに掲載されている大学が多いですが、十分な情報量とはいえません。オープンキャンパスに参加したり、大学に直接問い合わせるなどして、雰囲気を肌で感じられるといいでしょう。
3.大学の「伝統」を重視しよう!
今回私が最も伝えたいのはこの部分です。冒頭に「偏差値=就職力とは限らない」と書きましたが、「大学の伝統」も重視してほしいと思います。
確かに、「偏差値が高い=入るのに難しい」ということで、一定の評価は得られます。しかし、就職活動というのは最終的に「人間VS人間」で決定していくもの。例えば、企業の人事や社長が卒業した大学、継続的に優秀な人材を輩出する研究室・部活など、伝統が長ければ長いほど「大学と企業のつながり(コネクション)」が生まれていきます。こういった要素も、就職には強みとなる訳です。
これを踏まえ、偏差値が高いだけでなく、その大学がどのような企業に実績があるのか、どのくらい伝統のある大学なのかという点も、判断材料にしてみてください。
伝統のある大学はどのように探す?
では、伝統のある大学はどうやって探す?ということが気になりますよね。最後にしっかり説明していきます!
みなさんは「旧帝大」という区分は聞いたことがありますか。「旧帝国大学」の略称で、1886年に公布された「帝国大学令」により設立された旧制高等教育機関のことです。 具体的には、東京・京都・大阪・東北・名古屋・北海道・九州7つの大学を指し、国立大学のなかでも最難関といわれています。これらは文句なしで「高偏差値&伝統◎」なので、就職市場でも圧倒的な強さがあります。
しかし、これらの大学に行けるのは一部の学力層。ちょっと現実的に届かないよ…という人に、他の紹介をします。経済学部の歴史をたどっていくと、元々は戦前から商業に関する専門教育を施した大学に行きつきます。通称「高商」と呼ばれる大学がいくつか存在し、現在の国立大学経済学部に継承されています。

カッコ内の数字は設立された年。100年以上の歴史をもつ大学ばかりで、多くの卒業生が現在の日本企業の中枢を担っています。一橋大学は旧帝大に並ぶ最難関大学なので別として、その他の国立大学はどこも超難関大という訳ではありませんが、社会的に高い評価を受けている大学が多いのです。
また、これらの大学は、「古くからある=時代遅れ」というわけではありません。例えば和歌山大学は、全国でも珍しい「観光学部」がある国立大学ですし、滋賀大学は日本で初めてとなる、「データサイエンス」を本格的に学べる学部を有しています。
まとめ
このように、各大学には個性があります。ランキング表だけで判断せず、是非自分の目で見て決めていただきたい。4年間通う大学を選ぶことは、数百万円の買い物をするのと同じです。本気で探してください。
「近いから」「みんなが行くから」という理由ではなく、「自分が学びたいから」という理由で大学を見つけられると今後のモチベーションも変わってくるはずです!この記事が、あなたの大学選びの一助となれば幸いです。応援しています!
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