問1 為替レートの決まり方を説明する考え方の一つとして,購買力平価説がある。購貫力平価説によれば,仮に2国を取り上げた場合,この2国通貨間の為替レートは,どちらの通貨を用いても同一商品を同じだけ購買できるような水準になる。ここで,日本とアメリカで販売されている同一のスマートフォンが当初日本では1台9万円,アメリカでは1台900ドルで販売されていた。その後,価格が変化して,日本では8万円,アメリカでは1,000ドルになった。このスマートフォンの価格に関して購買力平価説が成り立つ場合,円とドルとの為替レートはどのように変化したか。正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 当初1ドル=100円だった為替レートが1ドル=80円となり,円高ドル安となった。
② 当初1ドル=100円だった為替レートが1ドル=80円となり,円安ドル高となった。
③ 当初1ドル=100円だった為替レートが1ドル=125円となり,円高ドル安となった。
④ 当初1ドル=100円だった為替レートが1ドル=125円となり,円安ドル高となった。
問2 国際収支と外国為替相場についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 自国の通貨高を是正するために通貨当局が為替介入を行うことは,外貨準備の増加要因になる。
② 自国の通貨高は,自国の輸出を促進する要因になる。
③ 貿易収支の黒字は,自国の通貨安要因になる。
④ 自国への資本流入が他国への資本流出を上回るほど増加することは,自国の通貨安要因になる。
問3 他の状況が一定であるという仮定の下で,アメリカの通貨であるドル,イギリスの通貨であるポンド,韓国の通貨であるウォンの関係についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① イギリスの対アメリカ輸出が増加すると,ドル高ポンド安となる。
② 韓国の対イギリス輸出が減少すると,ウォン高ポンド安となる。
③ ドル高ウォン安になると,アメリカの韓国からの輸入品のドル建て価格は下落する。
④ ウォン安ポンド高になると,イギリスの韓国からの輸入品のポンド建て価格は上昇する。
問4 円高についての記述として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 1985年のプラザ合意をきっかけにして円高が急速に進み,輸出依存の日本経済は一時的に不況に陥った。
② 円高・ドル安は,アメリカ国内での,日本からの輸入品のドル建て価格の低下につながる。
③ 1985年のプラザ合意をきっかけにして円高が急速に進み,海外への直接投資が増加した。
④ 外国為替市場で,各国通貨に対する需要と供給によって為替レートが決まり,ドルより円に対する需要が多ければ円高・ドル安となる。
問5 日米貿易における外国為替相場の影響について考える。いま,日本で生産・販売されている商品がアメリカに輸出され,為替レートでドル換算された金額で販売されると想定する。国内価格1900円,1ドル=100円の為替レートで輸出されている状況が,国内価格1800円,1ドル=90円の為替レートに変化した場合についての記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 円高ドル安であり,アメリカでの販売価格が上がる。
② 円高ドル安であり,アメリカでの販売価格が下がる。
③ 円安ドル高であり,アメリカでの販売価格が上がる。
④ 円安ドル高であり,アメリカでの販売価格が下がる。
問6 同じ商品でも,外国での価格を為替レートで円換算した額と,日本の国内価格の間で相違がみられることがある。ある人が日本からアメリカに旅行したところ,日本ではいずれも2000円で販売されている商品Aおよび商品Bが,アメリカにおいては商品Aは10ドル,商品Bは15ドルで販売されていることを見いだした。ここで次の図は1980年から1990年にかけての米ドルの対円相場の推移を示したものである。商品Aおよび商品Bについて,日本での価格と,アメリカでの価格を為替レートで円換算した額を比較した結果の記述として誤っているものを,下の①~④のうちから一つ選べ。
① 旅行をしたのがアの時点ならば,商品Aは日本での価格の方が安い。
② 旅行をしたのがアの時点ならば,商品Bは日本での価格の方が安い。
③ 旅行をしたのがイの時点ならば,商品Aは日本での価格の方が安い。
④ 旅行をしたのがイの時点ならば,商品Bは日本での価格の方が安い。
問7 変動為替相場制の下で,ある国の為替レートの下落を引き起こす当該国の要因として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 中央銀行による高金利政策
② 経常収支の黒字
③ 政府による外国通貨の売却
④ 物価水準の上昇
問8 円高の進行によって,日本企業の海外への事業展開は拡大した。その理由として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 海外へ投資する際にかかるコストが低下した。
② 海外からの輸入が減少した。
③ 海外へ輸出する際にかかるコストが低下した。
④ 海外からの投資が増加した。
問9 ドルに対する円の為替相場を上昇させる要因として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 日本からアメリカへの輸出が増加する。
② アメリカの短期金利が上昇する。
③ 日本銀行が外国為替市場で円売り介入を行う。
④ 投資家が将来のドル高を予想して投機を行う。
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