政経講義24 資本主義と社会主義

政経

本単元のポイント
⑴資本主義の流れは頻出!
⑵経済学者の考え方を根本から理解する

本まとめの用語表記

赤蛍光ペン…共通テスト頻出の最重要単語

黄下線ペン…共テ応用問題や私大入試で抑えるべき

今回は資本主義経済と社会主義経済について解説する。

▼資本主義と社会主義

まず基本中の基本として、資本主義と社会主義の違いを抑えよう。一言で言い換えるとしたら、資本主義は「自由」な経済、社会主義は「平等」な経済というところ。自由競争を基本として、経済成長を目指すのが資本主義の考え方で、当然生産手段(資源や工場など)は各自で管理する。一方で、競争により生まれる格差に対して、待ったをかけたのが社会主義経済の考え方。こちらは労働や生産手段を国が管理することによって、計画的に経済を回す仕組みとなっている。

それぞれの長所短所についても簡単に理解しておくといい。チームスポーツの部活動に例えると、イメージがしやすいです。

資本主義と社会主義➀

左が資本主義の考えに基づく部活動。右側が社会主義の考えに基づく部活動。それぞれメリット・デメリットが存在する。これを経済に置き換えるとこんなイメージ。

資本主義と社会主義➁

このように、経済力の強化を優先させる場合には資本主義の考えが適している点や、人間の心理では平等の対価しか得られない労働が難しい点もあり、世界のほとんどの国が資本主義経済を採用している。逆に社会主義国と自称している国は、中国・北朝鮮・ベトナム・キューバ・ラオスの5カ国のみとなっている。これらの国の中でも、経済面では自由市場を一部取り入れるなど、完全な社会主義経済を実現することは非常に難しい。

▼資本主義経済の歴史

アダム・スミスの思想

今回は特に頻出分野となっている、資本主義の転換について詳しく説明していく。そもそも資本主義が成立した時代は18世紀まで遡る。イギリスにおいて産業革命が起こり、手作業から機械工業へ発展したことで、生産手段(機械や工場)を持つ資本家と、それらを持たない労働者との格差が拡大した。資本家は市場の拡大を目指し、自由競争が進んでいった。

この時代の経済学説として主流だったのが、「経済学の父」という異名を持つアダムスミスの思想である。彼は自由放任主義を支持し、各々が自由に競争していくことで経済は自然と調整されると説いた。これを「神の見えざる手」と表現していることも重要なキーワード。神様が見えない手で動かすように、自然と調整されるということで、国の関りも最小限でよいと説いた。(小さな政府)

しかし、この仕組みに欠陥が現れてくるのが19世紀。自由競争の勝者が市場を独占するようになると、貧富の差がますます拡大し、失業者が増加した。資本主義経済への不満が徐々に出てきた中で、1929年に世界恐慌が発生し、経済の失敗を決定づけることとなる。

アダムスミスの考えから新たな経済学説を求める声が高まり、ケインズによる修正資本主義マルクスらによる社会主義経済の考え方が成長することになった。

ケインズの思想

20世紀に登場したケインズは、アダムスミスとは反対となる大きな政府を理想とした経済学者である。経済が停滞した際に必要なのは、政府が労働環境や賃金を創出することであり、国の積極的な政策によって完全雇用を実現させることが重要と説いた。このように、お金が発生する需要のことを有効需要と呼ぶ。ケインズの最重要キーワードと言っても過言ではない。

この思想が実際に現れた事例として、世界恐慌後のニューディール政策が有名である。不況に陥った国内経済を復活させるため、公共事業の活性化による不況脱出を目指した政策である。ニューディールとは、トランプのゲーム(大富豪やババ抜き)で1つのゲームが終わった時に手札を配りなおす際に使われる言葉。国が集めた資金を、不況脱出のために再分配するというイメージを持っておこう。このように、経済において国の役割が大きくなり、国と民間が補完し合いながら動いていく経済を、混合経済と呼ぶ。

資本主義経済の歴史①

フリードマンの思想

20世紀後半に入ると、ケインズ政策にも綻びが生じる。彼の思想は国の権限を大きくするものであったが、その資金はどこからきている…?当然無限に湧いてくるものではなく、国民の税金を中心とするお金である。ケインズの考えに基づき国が積極的に資金を投入するほど、国の財政は圧迫されるというジレンマが生じることになる。ここに異議を唱えたのがフリードマンであり、彼の思想は新自由主義と呼ばれている。

フリードマンは、規制緩和や民営化によって国が経済に関与することを極力減らそうとした。つまり、大きく考えればアダムスミスの考えに戻るイメージ。国は通貨量の調整に努めることに集中すればよいと考え、国の財政支出の削減を目指した。この思想をマネタリズムという。彼の思想は実際にアメリカやイギリス、日本でも採用されることとなる。

資本主義経済の歴史②

▼社会主義経済の歴史

上に挙げた資本主義の歴史の中で、一部の国では社会主義経済を採用した国も登場した。19世紀に登場したマルクスによって理論化され、資本家による搾取を批判し、国による計画経済を推奨した。彼の主著である『資本論』は世界中で読まれた大ベストセラーとなり、聖書に次いで最も多くの人に読まれた本であるとも言われる。

社会主義国として最も有名なのがソ連・中国の2カ国であり、簡単に経緯を抑えておこう。

ソ連の歴史

ソ連の経済➀
ソ連の経済➁

その他の社会主義国

その他の社会主義国

ソ連は崩壊しており、中国やベトナムも一部に資本主義経済のシステムを導入する形を採っている。ドイモイ政策は日本語で刷新という意味であり、これまでの社会主義路線から新しい方向へ進もうという政策であった。

結論、どんな形が正解かという明確な答えは出ない。それほど経済は複雑であり、さまざまな要因によって変化し続けるからである。だからこそ、常に観察や分析をしながら、その時代・その地域においてベストな方策は何かを考えなければならない。

現代の日本経済は正しい方向に向かっているのだろうか…?

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