政経演習42 軍縮と外交政策

政経

共通テストの過去問を中心に演習問題を掲載しています。
解答・解説も含めて、参考になれば幸いです。

問1 日本は1957年に外交の三原則を掲げた。これについての記述として適当でないものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① アジアの一員として,アジアの地位向上に努める。
② 唯一の被爆国として,核抑止体制を主導する。
③ 国際連合を平和維持の中心とし,その使命達成のために努力する。
④ 自由主義諸国と協調し,共産主義諸国に対する団結の一翼を担う。

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解答② 【解説】①③④が外交三原則。覚えておきましょう。

問2 核兵器についての記述として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 核拡散防止条約(NPT)は,非核兵器国が原子力の平和利用を行うことを禁止していない。
② パキスタンは,一方的に宣言して,自国の核実験を禁止している。
③ 部分的核実験禁止条約(PTBT)は,核兵器国が地下核実験を行うことを禁止していない。
④ 東南アジア諸国は,条約を締結して,締約国の核実験を禁止している。

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解答② 【解説】②パキスタンはインドとの核開発競争を加速させており、核兵器保有も公表している。核兵器保有を公にしている国は、安保理の常任国5か国+インド・パキスタン・北朝鮮の8カ国である。他にイスラエルなどの核兵器保有の疑惑がある国は、”潜在的”核兵器保有国と言われる。

問3 日本の外交についての記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 日本は,日華平和条約により,中華人民共和国との国交を正常化した。
② 日本は,日韓基本条約により,大韓民国との国交を正常化した。
③ 日本は,国際連合の安全保障理事会において,常任理事国を務めたことがある。
④ 日本は,国際連合の通常予算に関して,加盟国の中で最も高い分担率を引き受けている。

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解答② 【解説】①中国との国交正常化は、1972年の日中共同声明によるもの。③常任理事国は5カ国以外が務めたことはない。④国連分担金はアメリカ・中国・日本の順に高い(2022年データ)

問4  国際社会の平和と安全のためには国家間の協調が重要となる。国家間協調の実現について考えるために,次の表であらわされるゲームを考える。このゲームでは,A国とB国の代表が,互いに相談できない状況で,「協調」か「非協調」のいずれか一方の戦略を1回のみ同時に選択する。その結果として,両国は表中に示された点数を得る。
ここで両国は,自国の得る点数の最大化だけをめざすものとする。このゲームの表から読みとれる内容として最も適当なものを,下のうちから一つ選べ。

① A国にとって,最も高い点数を得るには,「協調」を選択する必要があるが,それにはB国が「非協調」を選択するという条件が必要である。
② A国が「協調」を選択する場合,B国がより高い点数を得るには「協調」を選択する必要がある。
③ A国とB国がともに「協調」を選択すれば,両国の点数の合計は最大化されるが,相手の行動が読めない以上,「協調」を選択できない。
④ A国とB国がともに「非協調」を選択すれば,両国の点数の合計は最大化されるため,「協調」に踏み切ることはできない。

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解答③ 【解説】①A国にとって最も高い点数を得るには、非協調を選択する必要がある。②B国は非協調を選べばより高い点数を得られる。④どちらも協調を選んだ場合に、両国の合計は最大化される。

問5 第二次世界大戦後の軍縮や軍備管理のための条約について,採択あるいは調印された年が最も新しい条約として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① クラスター爆弾禁止条約 
② 対人地雷全面禁止条約
③ 化学兵器禁止条約    
④ NPT(核兵器の不拡散に関する条約)

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解答➀ 【解説】①2008年 ②1997年 ③1993年 ④1968年 である。

問6 人間の安全保障の実践例として適当でないものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 人々を感染症から守るため,ある政府が他国の公衆衛生分野に援助を行う。
② 他国による侵略を防ぐため,複数の国の軍隊が共同で訓練する。
③ 森林の環境を守るため,NGO(非政府組織)が植林活動や環境教育を行う。
④ 民族紛争における人権侵害を防ぐため,国連が紛争当事者の行為を監視する。

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解答② 【解説】人間の安全保障とは、環境破壊や人権侵害、貧困などの人間の生存を脅かす恐れがあるものをまとめ、対策を強化する考え方である。②のように侵略に対して訓練するのではなく、そもそも侵略が起きないような対策をすることが実践として適当。

問7 戦略兵器削減条約(STARTⅠおよびⅡ)についての記述として正しいものを,次のうちから一つ選べ。

① 相手国のミサイルを空中で迎撃するミサイルの配備を制限した。
② 配備済みの戦略核弾頭を削減した。
③ 中距離核戦力を全廃した。
④ 両国の保有できる戦略核弾頭数の上限を設定した。

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解答② 【解説】STARTは米ソ間での戦略兵器”削減”条約の略称である。①④はSALTの説明、③はINF全廃条約の説明である。

問8 第二次世界大戦以降におけるアメリカの対外政策についての記述として正しいものを,次のうちから選べ。

① トルーマン大統領は,「鉄のカーテン」演説を行った。
② 地下以外での核実験を禁止する部分的核実験禁止(停止)条約に調印しなかった。
③ イラクのクウェート侵攻によって生じた湾岸危機に対して軍事行動をとらなかった。
④ オバマ大統領は,プラハで核廃絶をめざす演説を行った。

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解答④ 【解説】①鉄のカーテン演説は、イギリスのチャーチルが行った。②アメリカは調印している。当時は地下での実験が先進的であり、アメリカやソ連はそれが可能であったため抜け駆けができた。一方でそれが出来ていなかったフランスや中国は、不利だとして署名していない。③むしろ国連チームの中心となったのがアメリカである。

問9 核兵器の実験や保持などを制限または禁止する条約についての記述として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 中距離核戦力(INF)全廃条約は,アメリカとソ連の間で核兵器の削減が合意された初めての条約である。
② 包括的核実験禁止条約(CTBT)は,あらゆる場所での核爆発を伴う核実験の禁止をめざして採択された。
③ 非核地帯を設定する条約は,ラテンアメリカ,南太平洋,東南アジアなどの各地域で採択された。
④ 核拡散防止条約(NPT)は,アメリカ,中国,ロシアの3か国以外の核保有を禁止する条約である。

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解答④ 【解説】④NPTは米ロ中の他にも、英仏も核保有国として限定されている。

問10 人間の安全保障の観点からは,脅威にさらされている個人一人一人の視点を重視する対外政策が推進される。このような対外政策の例として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 国際空港や高速道路などの基盤整備のために,ODA(政府開発援助)を供与する。
② 地域の平和と安全を確保するために,地域的取決めの締結や地域的機構の設立を推進する。
③ 貧困対策,保健医療,難民・国内避難民支援などの分野におけるプロジェクトを支援するために,基金を設置する。
④ 国際法に違反した国家に対し,より迅速かつ柔軟に軍事的措置をとるために,国連(国際連合)安全保障理事会の機能を強化する。

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解答③ 【解説】①②④については、①インフラ整備、➁地域統合、④国連安保理のように、大きな集団を重視した政策である。一方で、③の貧困や難民に対しての基金は、苦しんでいる1人1人を重視した政策といえる。

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