政経演習25 財政政策・予算

政経

共通テストの過去問を中心に演習問題を掲載しています。
解答・解説も含めて、参考になれば幸いです。

問1 次の文章中の空欄 ア ・ イ に当てはまる語句の組合せとして正しいものを,下の①~④のうちから一つ選べ。

財政の機能の一つに,市場では適切に供給されない公共財を供給する ア がある。インフラ整備といった公共投資は公共財供給の代表例といえる。実際の政策では単一の機能だけでなく,しばしば複数の機能が利用される。たとえば,公共投資は公共財の供給に加え, イ として景気の安定化を図ることができる。

① ア 所得の再分配   イ フィスカル・ポリシー
② ア 所得の再分配   イ ビルト・イン・スタビライザー
③ ア 資源配分の調整  イ フィスカル・ポリシー
④ ア 資源配分の調整  イ ビルト・イン・スタビライザー

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解答③ 【解説】ビルトインスタビライザーは自動安定化装置と呼ばれるもので、あらかじめ組み込まれた制度により景気安定を図るもの。それに対しフィスカルポリシーは、政府が意図的に財政収支を増減させるもので、文中のイには後者が適当。

問2 財政政策についての記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 政府が財政政策の手段として税の増減と公共支出の増減とをあわせて用いることを,ポリシー・ミックスという。
② 政府による建設国債以外の国債の発行を原則として禁止することを,財政の硬直化という。
③ 政府は好景気のときには財政支出を増加させ,不景気のときには財政支出を減少させることで,経済を安定させようとする。
④ 政府は好景気のときには増税し,不景気のときには減税することで,経済を安定させようとする。

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解答④ 【解説】①政府の財政政策と銀行の金融政策を組み合わせることを、ポリシーミックスという。②公債金の返済が予算を逼迫し、資金の使い道が制限されることを、財政の硬直化という。③好景気時は資金が過剰に回っているため、財政支出が減少させるべき。逆のことを言っている。

問3 日本の予算に関する記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 特別会計の予算は,特定の事業を行う場合や特定の資金を管理・運用する場合に,一般会計の予算とは区別して作成される。
② 国の予算の一つである政府関係機関予算については,国会に提出して,その承認を受ける必要はないとされている。
③ 財政投融資の見直しが行われ,現在では郵便貯金や年金の積立金は一括して国に預託され,運用されるようになっている。
④ 補正予算とは,当初予算案の国会審議の最中に,その当初予算案に追加や変更がなされた予算のことである。

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解答➀ 【解説】②政府関係機関予算とは、特別の法律によって設立された法人で、国の事業に近い事業を行うための予算。これは国会の議決が必要とされている。③かつては郵貯や年金積立金を運用していたが、現在は金融市場を通して自主調達するようになっている。④補正予算とは著しい社会の変化や、災害などの突発的な事情がある場合に組み込まれる。

問4 次のA~Dは,日本の財政をめぐる出来事についての記述である。これらの出来事を古い順に並べたとき,3番目にくるものとして正しいものを,下の①~④のうちから一つ選べ。

A 税率3パーセントの消費税が導入された。
B 国と地方との関係が見直され,地方分権一括法が施行された。
C 直接税中心の税体系を提唱したシャウプ勧告が行われた。
D 第二次世界大戦後初めて,赤字国債(特例国債)が発行された。

① A  ② B  ③ C  ④ D

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解答➀ 【解説】A:消費税が導入されたのは1989年。B:地方分権一括法は1999年制定・2000年施行。C:シャウプ勧告は1949年。戦後の税制改革と理解していれば、年号を覚えていなくとも最も古いことが分かる。D:赤字国債が初めて発行されたのは1965年。

問5 次のA~Dは,政府支出の規模に影響を与えた政策の事例である。これらを古い順に並べたとき,3番目にくるものとして正しいものを,下の①~④のうちから一つ選べ。

A 日本において,第二次臨時行政調査会の答申を受け,日本電信電話公社など三つの公社の民営化が進んだ。
B アメリカにおいて,ニューディール政策を通じて,公共投資の規模が拡大された。
C 日本において,所得倍増計画に基づいて,積極的に公共投資を拡大するなどして民間経済の成長を後押しした。
D イギリスにおいて,ベバリッジ報告に基づいて,「ゆりかごから墓場まで」といわれる社会保障制度が整備された。

① A  ② B  ③ C  ④ D

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解答③ 【解説】A:三公社の民営化は1980年代。B:ニューディール政策は世界恐慌後に実施された政策。1933年。C:所得倍増計画は1960年代に池田勇人内閣によって実施。D:社会保障が確立したと言われるもの。1942年の出来事。

問6 日本の社会資本をめぐる記述として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 社会資本には,生産に関連するものと,生活に関連するものとがある。
② 社会資本の整備を目的として国債を発行することは,禁じられている。
③ 社会資本の整備を実施するために,財政投融資が財源の一つとして利用されている。
④ 社会資本の整備の際に,土地を収用されることによって財産上の損失を被った国民は,その損失の補償を求めることができる。

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解答② 【解説】②建設国債は公共事業に充てる資金であって、禁じられていない。

問7 日本における公共事業や減税に関する記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 地方消費税の税率が3パーセントから2パーセントに引き下げられた。
② 道路・河川の整備・改修などの公共事業の経費の一部を国が負担する制度として,共済制度がある。
③ 財政法は原則として国債発行を禁止しているが,公共事業費,出資金,貸付金などに充てる国債の発行を認めている。
④ 所得税の累進課税が逆進課税に改められた。

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解答③ 【解説】③書いてある通り、原則国債発行は禁止となっているが毎年のように発行されているのが現状である。

問8 財政の役割A~Cとその内容の説明文ア~ウとの組合せとして最も適当なものを,
下の①~⑥のうちから一つ選べ。

A 所得の再分配   B 資源配分の調整   C 景気の安定化

ア 公共投資の規模を調整し,経済の大幅な変動を抑える。
イ 司法や防衛,上下水道など,市場では最適な供給が難しい財・サービスを提供する。
ウ 生活保護や福祉サービスの給付を行い,一定の生活水準を保障する。

① A―ア  B―イ  C―ウ   ② A―ア  B―ウ  C―イ
③ A―イ  B―ア  C―ウ   ④ A―イ  B―ウ  C―ア
⑤ A―ウ  B―ア  C―イ   ⑥ A―ウ  B―イ  C―ア

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解答⑥ 

問9 現行の日本の予算制度についての記述として適当でないものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 予算を作成して国会に提出できるのは,内閣に限られる。
② 国が特定の事業を行う場合は,一般会計予算とは区分して特別会計予算を作成することができる。
③ 補正予算は,年度途中で当初予算に追加・変更を行う場合に作成される。
④ 「第二の予算」と呼ばれる財政投融資計画は,郵便貯金や年金資金の預託金を原資として作成される。

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解答④ 【解説】④これは過去の話であって、現在は郵貯や年金資金の預託金は受け取っていない。全額自主調達で資金の融資や運用を行っている。

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