政経演習24 近年の金融改革

政経

共通テストの過去問を中心に演習問題を掲載しています。
解答・解説も含めて、参考になれば幸いです。

問1 預金や貯蓄についての記述として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 貯蓄は,金融機関や株式市場などを通じて企業に出資されたり貸し出しされたりし,投資に使われる。
② 高齢化が進展し,貯蓄を取り崩す高齢者が増加すると,家計貯蓄率が低下する要因となる。
③ 日本では,金融の自由化が進んだこともあり,預金金利や貸出金利は自由化されている。
④ 日本では,銀行が破綻した場合に,日本銀行が預金者に一定額の払戻しを行う制度がある。

解答解説 click↓
解答④ 【解説】④銀行が破綻した場合に預金の払い戻しを行う制度はあるが、実施するのは日本銀行ではなく預金保険機構。

問2 日本の金融機関についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 巨額の不良債権を抱え込んだ結果,1990年代の後半に破綻が相次いだ。
② ノンバンクは,預金を受け入れて融資を行っている。
③ 銀行は,コール市場において手形,国債,株式の売買を行っている。
④ バブル崩壊後,経営再建のために護送船団方式が採用された。

解答解説 click↓
解答➀ 【解説】①バブル崩壊後に不良債権を抱え、200近い金融機関が破綻した、その中には、都市銀行の一角を占める北海道拓殖銀行や、四大証券の中でも伝統ある山一證券が破綻した。

問3 日本の金融をめぐる記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 民間企業の資金調達において高度成長期には直接金融の割合が高かったが,その後は間接金融の割合が増加傾向にある。
② バブル崩壊をきっかけとして,銀行の自己資本比率に関する規制(BIS規制)は廃止された。
③ 日本銀行券の過剰発行を防止するため,その発行総額は日本銀行が保有する金の価値総額を超えてはならないこととされている。
④ 1990年代の後半には,日本版ビッグバンと呼ばれる金融制度の改革が行われた。

解答解説 click↓
解答④ 【解説】④日本版金融ビッグバンとは、国際的な金融市場への改革を目的として実施された改革。1996年に開始されている。①高度経済成長期は銀行からの借り入れが主流だったのに対し、その後は株式や社債による直接金融が増加傾向にある。②BIS規制は、バブル崩壊後に競争力を高めるため、自己資本の最低基準を定めたもの。③現在の日本銀行券は金との交換を保証していない。

問4 日本で進められた金融の自由化の内容についての記述として適当でないものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 特定の業務分野に活動が限定されてきた金融機関が,子会社を通じて他の金融業務に進出できるようになった。
② 外国為替取引の自由化など金融の国際化が進められた。
③ 預金のうちの一定割合を日本銀行に預けることを義務づけられてきた銀行が,義務づけがなくなり貸出し量を自由に決められるようになった。
④ 銀行の預金金利に対する規制が段階的に撤廃された。

解答解説 click↓
解答③ 【解説】③預金準備金と呼ばれるもので、この比率を上下させることで通貨量の調整を行う手段としても用いられる。近年は変動していないが、預金準備金の制度が無くなったわけではない。

問5 度重なる景気対策の中で,1990 年代以降,日本銀行によって実際にとられた政策として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① デフレ対策として,ゼロ金利政策を実施した。
② 貸し渋り対策として,中小企業に直接資金を貸し出した。
③ 国債の安定消化のために,赤字国債の直接引受けを行った。
④ 預金者保護のために,預金準備率を引き上げた。

解答解説 click↓
解答➀ 【解説】①1999年に開始された政策。市中金利に影響を与える無担保コールレートを実質0%に近づけることで、企業への融資をスムーズに行うことを狙った。④預金準備率は1991年以来変更されていない。

問6 グローバル・スタンダードの事例として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 銀行の自己資本比率の規制
② 銀行預金の全額保護
③ 預金金利の規制
④ 金融機関の業務分野の規制

解答解説 click↓
解答➀ 【解説】グローバル・スタンダードとは、世界の規格に合わせるということ。①は国際業務を行う銀行の自己資本比率基準(BIS規制)があり、問題文の事例として適当。

問7 日本における金融の自由化・国際化についての記述として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① アメリカを中心とする外国の銀行が日本へ進出するとともに,大手銀行どうしの合併など,金融業界の再編も進んだ。
② 投資家による自由な資金運用の促進を目的として,銀行と証券の業務分野が二分化された。
③ 市中銀行が,預金金利を自由に設定できるようになった。
④ 金融機関以外の一般企業が,銀行業などに参入するようになった。

解答解説 click↓
解答② 【解説】②自由な資金運用の促進のために、むしろこれらの分野が統合され、融通がきくようになった。

問8 バブル崩壊後の日本の金融についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 銀行の所有している土地の価格が下がって含み損が発生したため,銀行の不良債権問題が生じた。
② バブル崩壊後,大量の不良債権を抱えた銀行が企業への貸出しを抑制したことが,「貸し渋り」として批判された。
③ 日本版ビッグバンの背景には,東京の金融市場から日本の各地の金融市場へと取引が分散する「金融の空洞化」現象があった。
④ ゼロ金利政策の実施により,銀行は最優遇の企業に対して,一定期間無利子で貸出しを行うことが義務付けられた。

解答解説 click↓
解答② 【解説】①土地を担保として融資を受けていた会社などが返済不可となり、銀行の不良債権が増加した。③金融の空洞化とは、国内の金融取引が海外へシフトしていくことで、国内の金融市場が弱体化すること。

問9 1990年代後半以降の日本の金融機関についての記述として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 同一の金融持株会社の傘下で,さまざまな金融機関が各種の金融サービスを提供することが可能となった。
② 株式売買の委託手数料が完全自由化され,証券会社の間では,とりわけインターネットによる売買取引において手数料の引下げ競争が起こった。
③ 銀行や証券会社などのさまざまな金融機関の業務に,製造業や流通業などの異業種からの参入が容易になった。
④ 都市銀行は,公的資金の投入を受けずに不良債権問題を解決し,金融再編を進めた。

解答解説 click↓
解答④ 【解説】④バブル崩壊後、金融機関への公的資金注入は行われている。しかし、都市銀行の中には不良債権を解消しきれず倒産したり、金融業界再編の中で大手銀行に吸収されたりした銀行もあった。

問10 日本の金融自由化についての記述として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 預金金利規制が撤廃され,預金金利に銀行間格差が生じるようになった。
② 銀行と証券の間で,相互の乗り入れが可能になった。
③ 日本の金融機関との提携を通じて,外資系金融機関が国内市場に参入するようになった。
④ 銀行の役割が増大し,直接金融から間接金融へのシフトが進展した。

解答解説 click↓
解答④ 【解説】④金融商品やサービスの多様化、新たな銀行・証券会社の誕生により、株式や社債の取り扱いが増加した。間接金融から直接金融へシフトしたと変えれば正しい。

Follow me!

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました