問1 次の図は,1965年から2000年までの日本の消費者物価指数と企業物価指数の変動率(いずれも対前年比)の推移を示したものである。この図から読みとれる内容として正しいものを,一つ選べ。
① プラザ合意後の円高不況の期間には,消費者物価指数の変動率が企業物価指数の変動率を下回ることがあった。
② 平成不況と呼ばれる景気が悪化した期間には,企業物価指数の変動率はマイナスになることがあった。
③ スミソニアン協定が締結された年には,消費者物価指数の変動率は3パーセントよりも低かった。
④ 第二次石油危機の翌年には,消費者物価指数と企業物価指数の変動率はともに10%よりも高かった。
問2 物価の変動に関する記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① スタグフレーションとは,不況とデフレーションとが同時に進行する現象のことである。
② デフレスパイラルとは,デフレーションと好況とが相互に作用して進行する現象のことである。
③ コスト・プッシュ・インフレーションは,生産費用の上昇が要因となって生じる。
④ ディマンド・プル・インフレーションは,供給が需要を上回ることにより生じる。
問3 物価に関連する記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① インフレーションの下では,貸幣の価値は上昇する。
② デフレーションの下では,債務を抱える企業や家計にとって債務返済の負担は重くなる。
③ 自国通貨の為替相場の下落は,国内の物価を引き下げる効果をもたらす。
④ デフレスパイラルとは,景気後退と物価上昇が相互に影響し合って進行する現象をいう。
問4 物価に関連する記述として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① インフレーションの原因の一つは,総供給が総需要を上回っていることである。
② 消費者物価指数とは,消費者が購入する財・サービスの価格水準の変動を示す指標である。
③ デフレスパイラルとは,物価の下落と不況とが相互に作用し,悪循環に陥っている状態のことである。
④ 内外価格差の生じる原因の一つは,国内外で流通機構に違いがあるため,コストが国によって異なることである。
問5 物価の変動についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 物価が下落すると,負債金額が実質的に減少するので資金の貸し手は損失をこうむる。
② 物価が持続的に上昇すると,実質経済成長率は名目経済成長率よりも高い値になる。
③ 物価水準の持続的な上昇を防ぐ手段の一つとしては,売りオペレーションによる金融引締め政策がある。
④ 労働生産性の上昇率が賃金の増加率を下回る場合には,国内の物価水準は下落しやすい。
問6 景気の波や物価の変動をめぐる記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 短期間に急激に物価水準が上昇する現象は,デフレスパイラルと呼ばれる。
② 生産コストの上昇分が製品価格に転嫁されたために生じる物価水準の上昇は,コスト・プッシュ・インフレーションと呼ばれる。
③ 景気停滞と物価水準の持続的な下落が同時に起こる現象は,スタグフレーションと呼ばれる。
④ 景気循環において好況期から後退期へと変わる局面は,景気の谷と呼ばれる。
問7 バブル崩壊後の時期には,物価の下落傾向がみられた。継続的な物価下落の一般的な影響についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 為替相場が変化しなければ,輸出品の価格は上昇する。
② 金利(利子率)が変化しなければ,資金の借り手の負担は重くなる。
③ 実質経済成長率が変化しなければ,名目経済成長率は高くなる。
④ ある人の収入が変化しなければ,その人の購買力は低下する。
問8 1990年代末に,日本で消費者物価の水準が低下した理由として適当でないものを,次のうちから一つ選べ。
① 中国などアジア諸国から輸入される製品が増えた。
② 生産能力に比較して,有効需要が不足していた。
③ 情報技術の利用や大量仕入れなどにより,費用削減が図られた。
④ 高金利政策により,設備投資や住宅投資が抑制された。
問9 物価水準に関連する記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 日本では,二度の石油危機が生じた1970年代を通じて,消費者物価指数は卸売物価指数より高い対前年比上昇率を示した。
② 日本では,1980年代後半に株価や地価が高騰したが,それらと比べて消費者物価は比較的安定していた。
③ 賃金の引上げにより増加した人件費が製品価格に上乗せされたため生じた物価水準の上昇は,ディマンド・プル・インフレーションと呼ばれる。
④ 物価水準の持続的な下落と景気の停滞とが同時に起こる現象は,スタグフレーションと呼ばれる。
問10 インフレーションが経済活動に及ぼす影響についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 自国通貨の対外価値が上昇するため,輸入品の国内価格が下落する。
② 実質賃金が上昇するため,労働者の購入する商品の量が増加する。
③ 借金をしている人の実質的な返済の負担が減少する。
④ 資産を土地で保有するよりも,現金や預貯金で保有する方が有利になる。
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