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政経講義10 自由権をわかりやすく⑴

今回は自由権について。自由権にはどのような権利が存在するのか、またそれぞれの権利における判例などを紹介していきます。

目次

自由権で保障される権利

まずは自由権を細分化してまとめたものを見てみましょう。

自由権の内容

上記のように、自由権は3つの自由に分けられます。今回はこの中で「精神の自由」についてポイント解説をしていきますが、「精神の自由」の中でもさらに複数の権利に分類されます。特に信教の自由に関する部分は、入試でも頻出となっているため、主要判例をピックアップしていきます。

信教の自由

第20条では、信教の自由が明記されています。また、この第1項の中で、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」と記されているように、政治は宗教に干渉すべきでないとする「政教分離の原則」が定められています。この政教分離に関する判例が多いので、詳しく説明していきます。

津地鎮祭訴訟(1977最高裁判決)

まず一つ目の判例は、「津地鎮祭訴訟」です。三重県津市が市立体育館の建設に際し、伝統的な神道形式の地鎮祭を主催しました。この費用を公金(税金など)から支出したことに対して、宗教的行事に公的なお金を使っていいのか?という訴訟が起きたものです。

津地鎮祭の判決内容

名古屋高裁では違憲判決が出たものの、最高裁では合憲判決となりました地鎮祭は一般慣習の儀式に過ぎず、宗教的意味合いが強い行事ではないと判断され、ここへ公金支出する行為は「政治と宗教の癒着」とまでは言い難いと判断されたようです。

愛媛玉ぐし料訴訟(1997最高裁判決)

同様の判例をもう一つ紹介します。

愛媛県が靖国神社などに対し、合計16万円程度の玉ぐし料を公金(税金など)から支出して奉納していました。この行為に対して、特定の宗教に公的なお金を使っていいのか?という訴訟が起きたものです。

愛媛玉ぐし料訴訟の判決内容

この判例では、最高裁で違憲判決が出されています。先ほどの津地鎮祭訴訟と内容は大きく異なりませんが、支出先の靖国神社が裁判の争点となりました。靖国神社とは、戦没者やA級戦犯を祀った神社であり、第二次世界大戦時の軍国主義を象徴する神社のひとつです。つまり、一般的な神社とは違う、特別な意味合いを持つ神社であったため、特定宗教への援助と判断されました。

砂川政教分離訴訟(空知太神社)(2010最高裁判決)

砂川政教分離訴訟(空知太神社)の内容

もう一点、近年最高裁判決が出されている判例について、紹介していきます。こちらも最高裁で違憲判決が出ているので、要チェックです。内容は図の説明を確認してください。

以上の判例のように、どこまでの行為が政治と宗教の繋がりと捉えられるかが、難しい判断となっています。近年では、自民党議員と旧統一教会との繋がりが問題視されたり、公明党と支持母体の創価学会・幸福実現党と宗教団体「幸福の科学」の関わりが疑問視されたりなど、政治と宗教の線引きをどう引くべきかが、今後も議論され続けるテーマになるでしょう。

精神の自由に関わる判例

最後に精神の自由に関する判例を紹介して、この単元を締めくくりたいと思います。身体の自由については、次回の解説にて扱う予定です。

思想良心の自由の判例

三菱樹脂訴訟の内容

表現の自由の判例

表現の自由の判例➀
表現の自由の判例

信教の自由を中心に、判例をしっかりと覚えておきましょう!

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この記事を書いた人

公民担当の高校教員としてさまざまな学校を経験。学習意欲の湧く教材作りをモットーに、プリントを自作しています。高校生や先生方の参考になれば幸いです。Instagramではニュース動画の投稿をしています。※このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。

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