問1 国際法上の拘束力をもつ国家間の合意を条約と呼ぶとき,そのような条約の例として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① ラッセル・アインシュタイン宣言
② 市民的及び政治的権利に関する国際規約の第2選択議定書
③ 新国際経済秩序(NIEO)樹立宣言
④ 核兵器による威嚇又はその使用の合法性に関する勧告的意見
問2 紛争を平和的に解決するための国際裁判所に関する記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 日本は,国際司法裁判所(ICJ)で裁判の当事国となったことがない。
② 日本は,国際刑事裁判所(ICC)に加盟していない。
③ 国際司法裁判所は,紛争当事国双方の同意がない限り,国家間の紛争を裁判することはできない。
④ 国際刑事裁判所は,人道に対する犯罪などの処罰をめぐる国家間の紛争を裁判する機関であって,個人を裁くための裁判所ではない。
問3 条約についての記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 京都議定書は,締約国間における温室効果ガスの排出量の売買を禁止している。
② 経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約)は,締約国が規約を批准する際に留保を行うことを禁止している。
③ 化学兵器禁止条約は,化学兵器の使用を禁止しているが,その生産と保有については認めている。
④ 国連海洋法条約は,沿岸国が領海の外側に一定の範囲で排他的経済水域を設定することを認めている。
問4 主権尊重の原則と国際社会の秩序維持との関係についての記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 国際司法裁判所(ICJ)は,紛争当事国の同意がなくても,国家間紛争の裁判を行うことができる。
② 国際原子力機関(IAEA)は,核拡散防止条約で核兵器保有を認められた国の核関連施設であっても,強制的に査察することができる。
③ 国際連合に加盟している国家は,自衛のためであっても,武力の行使を慎む義務がある。
④ 国際連合に加盟している国家は,自国の利益に反する内容であっても,国連安全保障理事会の決定に従う義務がある。
問5 国際慣習法(慣習国際法)についての記述として適当でないものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 国際慣習法とは,諸国の慣行の積み重ねにより形成された法である。
② 国際慣習法において,輸入品に関税を課すことが禁じられている。
③ 国際慣習法は,条約の形に成文化されることがある。
④ 国際慣習法により,公海自由の原則が認められている。
問6 国際法に関連して,国際紛争の処理について説明したものとして正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 国際司法裁判所(ICJ)が裁判を行うには,紛争当事国双方の同意が必要とされる。
② 侵略国に対する国連の安全保障理事会の決議では,経済制裁はできない。
③ 国連のPKOは,加盟国が自発的に人員を提供するものではない。
④ 国連憲章に規定されている国連軍は,多発する地域紛争に備えて常設されている。
問7 国際社会についての記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① ウェストファリア会議の結果,各国の主権とその平等に基づく国際社会が,地球規模で成立した。
② 第二次世界大戦の終結後,国連(国際連合)が設立されたが,ソ連はアメリカとの対立を理由に当初加盟を見送った。
③ 国際司法裁判所(ICJ)は,国際法にのっとって裁判し,判決を強制執行する。
④ 国連の総会は,加盟国が一票の投票権を有する多数決制に基づき,決定を行う。
問8 国際刑事裁判所(ICC)についての記述として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 日本は設立条約に加入していない。
② アメリカは設立条約に加入していない。
③ 戦争犯罪を行った個人を裁くことができる。
④ 特定民族のジェノサイド(集団殺害)を行った個人を裁くことができる。
問9 主権国家体制についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 第一次世界大戦の後に開催されたパリ講和会議で,初めて各国の主権と平等とが確認された。
② 主権国家は,共通通貨の発行という形で,主権の一部を国家の連合体に委ねることもある。
③ 主権国家は,自国の利害に反することについては,国連加盟国であっても国連安全保障理事会の決定に従う義務はない。
④ 主権国家間の戦争を違法とする国際法の拘束力が強まった結果,国家による武力行使は不可能になった。
問10 ウェストファリア会議において締結されたウェストファリア条約の意義として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① ヨーロッパ諸国における絶対君主制を否定し,議会制民主主義を基礎とする平等な国家間関係を確立した。
② 植民地をめぐるヨーロッパ諸国の紛争を終結させ,植民地主義の違法性を確認した。
③ ヨーロッパにおける宗教改革を収束させ,ローマ教皇の権威を基礎とする国際秩序を回復した。
④ 三十年戦争を終結させ,ヨーロッパにおいて主権国家から構成される国際社会の成立を促した。
コメント