政経演習30 日本経済史⑶

政経

共通テストの過去問を中心に演習問題を掲載しています。
解答・解説も含めて、参考になれば幸いです。

問1 バブル経済の後の日本経済についての記述として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 不良債権の処理に行き詰まった銀行が経営破綻した。
② 自己破産の増加や多重債務の問題に対応するために,貸金業法が改正された。
③ 会社法が制定され,株式会社設立のための最低資本金額が引き上げられた。
④ 低成長ながら戦後で最も長い期間にわたる好景気があった。

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解答③ 【解説】③会社法の制定は、起業のハードルを引き下げる狙いがあった。最低資本金額も撤廃され、1円での起業が可能となった。

問2 次のA~Dは日本において実施された政策である。これらを古い順に並べたとき3番目にくるものとして正しいものを,下の①~④のうちから一つ選べ。

A 郵政民営化の実施
B 日本版金融ビッグバンの開始
C 変動相場制への移行
D コメのミニマム・アクセスの受入れ合意

① A  ② B  ③ C  ④ D

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解答② 【解説】A:小泉内閣での政策(2005年に郵政民営化法成立)B:日本版金融ビッグバンは、1998年あたりの話。バブル崩壊後、競争力のある銀行を目指し自由化・国際化を軸にした政策が進められた。C:変動相場制への移行は、ニクソンショックの影響を受けての出来事(日本は1973年に移行)。正式に移行が認められたのがキングストン合意で、1976年に決定されている。D:米のミニマムアクセス(最低輸入量)はウルグアイラウンド(1993年)の交渉をきっかけに進められた。ミニマムアクセスのコメ輸入は1995年に開始している。CDBAとなり答えは➁となる。

問3 経済のグローバル化をめぐる次の出来事ア~ウを古い順に並べたとき,その順序として正しいものを,下の①~⑥のうちから一つ選べ。

ア 日本版金融ビッグバンの一環として外為法(外国為替及び外国貿易管理法)が改正された。
イ 日本市場の規制緩和などを話し合う日米包括経済協議が開催された。
ウ 日本のODA(政府開発援助)の基本理念を定めたODA大綱が改定された。

① ア―イ―ウ  ② ア―ウ―イ  ③ イ―ア―ウ   
④ イ―ウ―ア  ⑤ ウ―ア―イ  ⑥ ウ―イ―ア

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解答③ 【解説】ややマニアックな事項であるが、問題を通して抑えていこう。ア:外為法は1998年に施行。バブル崩壊後、競争力のある銀行を目指し自由化・国際化を軸にした政策が進められた。イ:日米包括経済協議は1993年に開催している。似たような名前で日米構造協議が開始されたのが1989年。ウ:1992年に決定したODAに関する基本方針のことだが、2003年に改定されている。重点的課題に貧困削減、持続可能な経済成長、地球的規模の問題への取組みなどを盛り込んだ。イ→ア→ウとなる。

問4  民営化や規制緩和に関連して,日本や外国で生じた出来事に関する次の記述ア~ウを古い順に並べたとき,正しいものを,下の①~⑥のうちから一つ選べ。

ア イギリスにおいて,サッチャー首相が,市場原理を重視した経済政策を主張した。
イ 日本において,小泉内閣が構造改革を主張したことにより,郵政事業の民営化が行われた。
ウ ドイツ統一により,旧東ドイツ地域において,計画経済から市場経済への移行が進んだ。

① ア―イ―ウ  ② ア―ウ―イ  ③ イ―ア―ウ  
④ イ―ウ―ア  ⑤ ウ―ア―イ  ⑥ ウ―イ―ア

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解答② 【解説】ア:サッチャリズムは新自由主義に基づき実施された。1980年代の話。イ:小泉内閣は2001~06年に組閣され、郵政民営化法は2005年に成立している。ウ:ドイツ統一は1990年の出来事。

問5 経済のグローバル化に関連する記述として適当でないものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 経済活動が一国内で完結するようになり,各国政府は独自の判断で経済政策を行えるようになった。
② 高い収益が見込まれる国への資本の移動が増大したことが,新興国の経済発展を加速した。
③ 経済取引の自由化が進展する中で,企業系列を重視する日本の取引慣行が欧米から批判された。
④ 国際的な金融市場の一翼を担うことをめざして,日本版金融ビッグバンが実施された。

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解答➀ 【解説】①グローバル化により世界各国が複雑に関係し合うようになった。むしろ一国内で完結できなくなり、経済政策も同盟国らと足並みを揃える必要がある。

問6 小さな政府への転換をめざす動きに沿った政策の例として最も適当なものを,次のうちから一つ選べ。

① 証券業への参入規制を強化する。
② 国民所得に対する税収の割合を高める。
③ 通貨供給量の弾力的な調整により有効需要の管理を強化する。
④ 公共サービスの民間企業への委託を拡大する。

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解答④ 【解説】小さな政府では、政府の役割が最小限であり、民間の自助努力に委ねる部分が多くなる。これが理解できていれば、④が適当だとわかるはず。①③のように規制を強化すると、それだけ国民の自由な活動を阻害することになる。

問7 1990年代以降の日本における公的企業や特殊法人にかかわる改革についての記述として適当でないものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 高速道路の建設・管理を行ってきた日本道路公団など道路関係4公団は,累積債務や事業の非効率性などへの批判を受けて,民営化された。
② 戦後の住宅難解決にあたった日本住宅公団は,住宅事情の改善もあり,現在では新規の分譲住宅建設事業を行わない都市再生機構に改組された。
③ 中央省庁改革の一環として,郵便事業を担う組織は,郵政省から郵政事業庁を経て日本郵政公社となった。
④ 衛星放送やケーブルテレビなど放送メディアが多様化したため,日本放送協会の特別の地位は廃止され,他の民間放送事業者と同等となった。

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解答④ 【解説】④日本放送協会とは、いわゆるNHKのことであり、現在でも受信料の徴収があるように、他の民間放送とは異なる地位をもっている。

問8 2001年以降の日本経済の構造改革をめぐる記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 大型倒産が相次いで雇用情勢が悪化したため,保険機能強化政策の一環として,雇用保険制度が新たに創設された。
② 産業の国際競争力が減退して貿易収支が赤字になったため,この貿易収支を黒字化することが政府の方針とされた。
③ 規制緩和によって経済を活性化するために,規制の特例措置を定めた構造改革特別区域の創設が認められた。
④ 産業部門間の労働移動を円滑にするために,人事院が産業部門ごとに労働条件を定める方式が廃止された。

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解答③ 【解説】2001年以降は小泉内閣による改革が進められた。この改革のテーマは「小さな政府」の推進であり、規制緩和や民営化が実施されている。③が適当である。①雇用保険の創設は1974年。

問9 日本とアメリカの景気変動についての記述として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 1960年代後半の日本は,輸出の伸長と財政支出拡大の効果もあって,「いざなぎ景気」と呼ばれる
長期の好況を実現した。
② 1970年代末から80年代初頭のアメリカでは,第二次石油危機の結果,インフレが加速するとともに
景気が悪化した。
③ 1990年代の日本経済は低迷が続き,企業の倒産やリストラが増加したため,完全失業率は90年代末には10パーセントを超えた。
④ 1990年代のアメリカ経済は,IT(情報技術)革命が急速に進展する中で,長期の景気拡大を実現した。

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解答③ 【解説】③日本において、失業率が10%を超える年は存在しない。大体2~5%の間で推移しているので、暗記しておこう。90年代は失われた10年とも呼ばれる不景気だったが、それでも4%程度であった。

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