政経演習13 地方自治

政経

共通テストの過去問を中心に演習問題を掲載しています。
解答・解説も含めて、参考になれば幸いです。

問1 日本における国と地方自治体との関係についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 国庫支出金は,地方自治体の自主財源である。
② 三位一体の改革において,地方交付税の配分総額が増額された。
③ 地方財政健全化法に基づき,財政再生団体となった地方自治体はない。
④ 地方分権一括法の施行に伴い,機関委任事務は廃止された。

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解答④ 【解説】④機関委任事務が廃止され、自治事務と法定受託事務に再編されている。①国からの資金であり依存財源の一種となる。②地方交付税の総額はむしろ減額して、地方が国からの交付税に依存しないようにした。代わりに税源を国から地方へ移し、地方税収入で自立した財政運営をめざした。③北海道夕張市が有名であるように、財政再生団体となった自治体はある。

問2 日本の地方自治についての記述として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 国会が特定の地方自治体にのみ適用される特別法を制定するには,その地方自治体の議会の同意を得なければならない。
② 複数の地方自治体が後期高齢者医療制度をはじめとする事務の処理を共同で行う仕組みとして,広域連合がある。
③ 都道府県を越えた広域行政に対応し地方分権を進めるため,全国をいくつかの区域に分けて新たな広域自治体をおく改革構想は,道州制と呼ばれる。
④ 都道府県知事や市町村長は,議会の同意を得て,教育委員会の委員を任命する。

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解答➀ 【解説】①この場合は、住民投票を行う必要があり、住民の同意をもって成立する。

問3 住民に身近な政策の多くは地方自治体が担っている。日本の地方自治の制度に関する記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 地方自治体の首長は,地方議会が議決した予算に対して拒否権を行使することができない。
② 地方自治体が独自に行う住民投票において,永住外国人の投票が認められた事例はない。
③ 有権者は,必要な署名数を集めた上で地方自治体の首長に対して事務の監査請求を行うことができる。
④ 国による情報公開法の制定以前に,地方自治体において情報公開に関する条例が制定されたことがある。

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解答④ 【解説】④情報公開については地方が先駆けであった。別件であるが、オンブズマン制度も地方で先に導入されている事例の1つ。①地方自治体の首長には、議決に対する拒否権が与えられるなど、強い権限をもつ。②独自に行う住民投票においては、認められた事例がある。ただし、国政選挙や地方選挙(議員や首長を決定する)では、外国人への選挙権は認められていない。③監査請求は監査委員に対して行う。

問4 日本の地方財政についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 地方債の発行は,協議制から許可制に移行した。
② 地方税収の総額は,地方自治体の歳入総額の7割以上を占めている。
③ 地方交付税は,使い道を指定されずに地方自治体に配分される。
④ 三位一体の改革では,国庫支出金の総額が増額された。

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解答③ 【解説】①2006年に許可制から事前協議制に移行している。②税収は3~4割が平均であり、三割自治(四割自治)と称される。④国庫支出金は使途が指定される財源であり、自主性を損なうことから減額されている。ちなみに、地方交付税も国からの依存を軽減させるために減額されており、その代わりに地方税収入を増加させている。

問5 次のA~Dは,戦後日本の地方自治体をめぐる出来事に関する記述である。これらの出来事を古い順に並べたとき,3番目にくるものとして正しいものを,下の①~④のうちから一つ選べ。

A 地方自治体の事務区分の再編や国の関与のルール化などを規定する,475の関連法からなる地方分権一括法が成立した。
B 行財政の効率化などを図るために市町村合併が推進された結果,市町村数が1,700台に減少した。
C 住民が知事を直接選挙で選ぶようになるなど,地方自治の拡充を図る制度改革が実現した。
D 都市問題や公害が深刻になったことを背景として,全国各地で革新自治体が誕生した。

① A   ② B   ③ C   ④ D

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解答➀ 【解説】Aの地方分権一括法は2000年施行。Bの市町村合併は各時代に行われているが、1700代まで減らしたとなると平成の大合併といえる。1999~2010年にかけて行われた。C知事を直接選挙で選べるようになったのは戦後の話。日本国憲法に規定されている。D革新自治体とは共産党や社民党を中心とする自治体。1960年代後半~70年代に増加した。公害というキーワードからも推察できる。CDABとなり、答えは➀のA。

問6 日本における特定非営利活動促進法(NPO法)とNPO法人についての記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 特定非営利活動促進法によって,ボランティア活動を行う団体は認定NPO法人となることが義務化されている。
② 非営利活動の中立性を維持するため,行政はNPO法人と協働して事業を行うことが禁止されている。
③ 特定非営利活動促進法によって,認定NPO法人は税の優遇措置の対象とされている。
④ 非営利活動の中立性を維持するため,NPO法人は寄付を受け取ることが禁止されている。

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解答③ 【解説】①義務化はされていない。②近年は行政とNPO法人の連携は強化されている。④禁止されていない。

問7 日本における住民,首長および議会の関係についての記述として適当でないものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 有権者の一定数以上の署名をもって,住民は選挙管理委員会に対して議会の解散を請求することができる。
② 首長に対する議会の不信任決議を待たずに,首長は議会を解散することができる。
③ 直接請求制度に基づいて提案された条例案を,議会は否決できる。
④ 議会が議決した条例に対して,首長は再議を要求できる。

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解答② 【解説】②地方自治法によると、議会が首長の不信任を議決した場合、首長は議会を解散できると規定されている。

問8 地方自治体は多くの事務を担っている。次のA~Cのうち,現在の日本の地方自治体が担っている事務(自治事務または法定受託事務)はどれか。最も適当なものを,下の①~⑦のうちから一つ選べ。

A 国政選挙の選挙事務 B 旅券の交付 C 都市計画の決定

① A   ② B   ③ C ④ AとB 
⑤ AとC ⑥ BとC ⑦ AとBとC

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解答⑦ 【解説】A・B・Cいずれも地方が担っている事務。ちなみにA・Bは国から委託される業務であり法定受託事務、Cは地方独自の業務で自治事務に分類される。

問9 地方自治制度について,日本の現在の制度に関する記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 有権者の3分の1以上の署名により直ちに首長は失職する。
② 議会は首長に対する不信任決議権(不信任議決権)をもつ。
③ 住民投票の実施には条例の制定を必要とする。
④ 住民は首長に対して事務の監査請求を行うことができる

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解答② 【解説】①この署名により住民投票が実施され、過半数を超えた場合には失職する。③特別法の制定時など、条例を必要としない場合もある。④監査請求は監査委員に対して行う。

問10 機関委任事務を廃止した結果についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 地方自治体の事務に対しては,住民による監査請求が認められなくなった。
② 地方自治体の事務は,自治事務と法定受託事務に区分されるようになった。
③ 地方自治体が処理しなければならない事務が増加したので,地方消費税が新設された。
④ 地方自治体が処理しなければならない事務が増加したので,地方公務員の総数が増やされた。

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解答② 【解説】③地方消費税は戦前から導入されているもの。④民営化をはじめとする地方自治改革の取組で、2000年代はむしろ減少傾向にあった。

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