志望校はどうやって決める?

はじめに

10月になりました。3年生・浪人生はいよいよ大学入試本番ということで当然のことながら緊張感が増してくる頃でしょう。また、2年生にとってもいよいよ受験生が近づいてくる時期になります。3年生は偏差値の現実と理想のギャップに悩まされ、志望校変更を検討するかもしれません。2年生は少しずつ大学を意識する反面、調べるほど「どうやって志望校を決めればいいんだ…?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。進路指導担当として、何度も3年生を送り出してきた経験から、志望校を決める際のポイントをアドバイスしていきますので、参考にしてください。

志望校を決める際のポイント

進学希望はそれぞれだと思いますが、今回は一般的な理系大学・文系大学を想定して話をしていきます。看護や管理栄養士、教員養成などの専門性が高い学部には一部通じない話があるかもしれませんが、ご了承ください。それでは抑えるべきポイントを以下にまとめていきます。

➀研究・授業の内容

近年は少子化の影響もあり、大学は学生集めに必死です。従って、学部や学科の名前を食いつきの良いものにしたり、人気のある内容を前面に押し出して宣伝している学校も多いです。つまり、表面だけ見ると楽しそうと思えるような工夫がされていて、安直な判断すると、入学後に「こんなはずじゃなかった…」となる可能性があります。必ずパンフレットやホームページで、実施している授業内容や教授の専門としている研究を見るようにしましょう。推薦入試なら尚更、この先生の研究室に入りたいというレベルまで調べておく必要があります。

➁就職状況

次は就職状況について。これもパンフレットを見れば一覧になっていますので、自分の進みたい業種が決まっているのであれば、その方面が強い大学や学部を選ぶといいと思います。また、有名大学や有名な教授がいる場合、研究室と企業との間に強いパイプを持っていることもあります。オープンキャンパスなどに行った際には、ダメもとで聞いてみると有益な情報が得られるかもしれません。

ここで気を付けたいのが、「主な」就職先と称して一部の学生分しか載っていないパンフレットです。大学によっては100人単位で生徒を抱える学部もある中で、就職実績が10人分しか無ければ、全体の1割にも満たないわけです。オープンキャンパスに行った際にはできるだけ母数が多いデータを教えてもらえるといいでしょう。

また、管理栄養士や教員などの試験合格率にも落とし穴があるので注意です。例えば、合格率99%と書いてある数字だけを見て凄いと思ってはいけません。その裏には、学力の低い生徒は受験すらさせてもらえてないという事例や、半数以上の生徒は諦めて別の進路に進んだという事例もあります。これも直接大学側に問い合わせると、正確な情報が得られると思います。

③設備・キャンパス

大学生活を送る上で、重要なのが設備やキャンパスが学生のために整った環境であるかどうか。特に理系の場合、研究に必要な実験施設や設備は超重要であり、これが整っているかどうかの比較は大切だと思います。

他にも、自習室の環境が整っているか、図書館の規模の大きさ、資格取得の支援、運動に必要な施設なども重要な視点かと思います。

ここからはあくまで個人的な視点なので聞き流してくれて結構ですが、大学は都市型のキャンパスよりも、ちょっと田舎でもいいから広大なキャンパスの方が楽しい!と思うんですよね。大学は空きコマがあるため、休み時間の過ごし方も生活の一部です。私自身も田舎の広い敷地をもった大学出身ですが、空きコマには広場でキャッチボールをしたり、車でおいしいご飯を食べに行ったり、周りにたくさんある同級生の下宿先で遊んだりと、のびのびとした生活が送れました。都市型のキャンパスはどこかオフィスのようで息苦しさを感じますし、大学内で完結できることが少ない気がします。好みによりますが、みなさんに合った大学生活がイメージできる場所を見つけられるといいですね。

④アクセスの良さ

最後に交通アクセスについてです。通いやすさや通学時間も一つの目安になります。しかし、ここでは敢えて「あまり気にし過ぎないこと」を伝えておきたいです。当然アクセスが良く、通学時間も短いというのは理想かもしれませんが、重視しないようにしましょう。

それはなぜか。就活において「近い大学に通っていた」ことは何のアピールにもならないからです。「こんな研究していました」「部活動がんばりました」「こんな課外活動やってました」などはアピールになるため、これらの項目を大学選びに生かすのは良いと思います。一方、アクセスの良さは何のアピールにもならないですよね。だからこそ「近いからここにする」という決め方は、絶対にして欲しくないんです。自分の将来を見据え、後悔の無い選択をしてください。

⑤学費

最後に学費ですが、国公立大学に関しては差はありません。一方で私大に関しては意外と差があります。立地も偏差値も学部も同様であっても、学費が1.5倍ほど異なることもあります。お金は大事ですから、1度は確認しておくことをすすめます。迷った時の判断材料にしてください。

ここまでの内容を記録するために使用している「大学比較シート」を添付しておきます。オープンキャンパスの記録などに活用してください。

併願の考え方

国公立大学の場合

国公立大学の場合は、結局共通テストの点数次第になります。大体取れる点数を想定し、受験したい候補をいくつか決めておきましょう。しかし、大幅に取れる(取れない)こともあります。その際は、自己採点後の2週間程度で行きたいところを調べ、出願することになります。急ぎにはなりますが冷静に。上に挙げたポイントを比較しながら、決定していきましょう。

私立大学の場合

志望校が私立大学の場合、さまざまな受験パターンを選択でき、より迷いが生じやすくなります。別の記事で「私大出願プランの考え方」というテーマでまとめているので、ぜひご覧ください。

まとめ

大学はみなさんの将来に直結する大切な選択です。後悔の無い選択ができるよう、沢山調べ、沢山考え決めていきましょう。自分に合った大学に行ければ、自分に合う仲間とも出会えますし、大学時代の友人は一生の付き合いにもなります。自分の今後数十年が変わると思って、必死に探しましょう!

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