政経講義20 直接請求権と住民投票をわかりやすく

政経

本単元のポイント
①住民投票は2種類ある
②直接請求権の行使方法

本まとめの用語表記

赤蛍光ペン…共通テスト頻出の最重要単語

黄下線ペン…共テ応用問題や私大入試で抑えるべき

今回は、前回まとめた地方自治の続き。憲法第92条の「地方自治の本旨」で示されるように、地方自治は、国から独立した自治を行う「団体自治」と、住民自身が直接参加する「住民自治」が2本柱となっている。今回はその中でも「住民自治」に関連する内容をまとめていく。

一人ひとりの住民が、どのように地方自治体に働きかけることができるのか。その手順や実際の事例を併せて抑えていきましょう。

▼住民投票とは

地方自治体の中だけで行う投票を住民投票と呼ぶが、現在では2種類の方法があることをしっかり区別する。

⑴特別法制定に伴う住民投票

この特別法とは、特定の地域にのみ適用される「法律」のこと。条例とは違う。「法律」なので、当然国のルールであり、国会にて審議されるが、最終的に住民投票を実施して過半数の同意を得ることが定められている。この場合の住民投票には、法的拘束力があることに注意!過去の例として、広島平和記念都市建設法(1949)や長崎国際文化都市建設法(1949)などがある。

その他にも、議会の解散や首長の解職、特別区への再編(以下参照)などに関する住民投票には法的拘束力がある。

NEWS!大阪都構想(2015年・2020年)

大阪都構想とは、大阪市を廃止して特別区に再編する構想のこと。大阪市と大阪府で役割が二重になっていることを問題視し、大阪都と各区で役割分担する案が提示された。この改革について、2015年と2020年に住民投票が実施されたが、いずれも僅差で反対が上回り、実現しなかった。都へ移行する際の費用や、サービスの低下が懸念された。

⑵住民投票条例に基づく住民投票

この住民投票は、いわば「住民への独自アンケート」のようなもの。大規模な施設の建築や、都市計画の際などに、その地方自治体が独自で住民投票を実施し、住民の意見を集めることがある。以下のような実施例があるが、これらの住民投票に法的拘束力はない。つまり、仮に反対が圧倒的多数だったとしても、無視して強行することだってできるということ。

住民投票条例に基づく住民投票の事例

(1)と(2)の区別ができるようにしておきましょう!

▼直接請求権とは

こちらも頻出分野の直接請求権。直接請求権とは、住民が署名活動を通して地方自治に直接参加できる制度のこと。どの程度署名を集めればよいかや、その署名をどこに提出するかについては、請求の内容によって異なるため、はっきりと区別できるようにしておきたい。

まずは以下の表を覚えましょう!ポイントはその下に書いていきます。

直接請求権のまとめ

まず、項目としては5つ。この5つの「必要署名数+提出先+その後の扱い」は全てセットで覚えなければならない。覚え方のポイントは2点。

直接請求権を覚えるポイント

(1)署名数は“解”の文字で区別!

必要な署名は「50分の1」or「3分の1」の2通りしかない。“解”がつくもの(解職・解散)は3分の1↔他のものは50分の1と覚えれば、それでOK。

(2)提出先はその後の扱いと関連付けよ!

まず、基本の請求は首長に出すと覚えておこう。例外として、監査請求は専門家がやるから監査委員に提出する。さらに、住民投票が必要なものは選挙をする必要があるから選挙管理委員会に提出すると覚えておこう。

直接請求権は超頻出分野になるので、確実に得点源としたい!丁寧に覚えていきましょう。

地方自治についてのまとめは以上。前回まとめた基本と合わせて、入試でよく出る分野なので、過去問等でアウトプットのトレーニングもしていきましょう!

授業プリントはコチラからダウンロード→プリントのページ

一問一答はコチラから!→一問一答10.地方自治

過去問演習はコチラから!→政経演習13.地方自治

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