今回は内閣について。かなり盛りだくさんな内容となっていますが、丁寧に解説していきます!
▼中央省庁の再編
中央省庁とは
内閣は国会から選出された総理大臣を長として、総理に任命された国務大臣によって構成される。さらに、その下で働く国家公務員が各省庁に所属しており、専門性を活かして行政に携わっている。
中央省庁とは、行政の中枢を担う組織の集まりであり、現在は1府12省庁で編成されている。従来は1府22省庁だったが、縦割り行政(★下で解説)の是正と行政のスリム化を図り、2001年に再編されている。この中身については以下に載せておくので、ざっと確認しておきましょう。(※1府12省庁は、大学入試レベルでは、全て暗記する必要はないです!)
1府12省庁の中身
また、省庁再編後に、新しく設置された省庁も頻出である。一覧を参考に、各省庁の名前と内容を抑えておきましょう。表には書いてありませんが、2023年4月に発足する子ども家庭庁も時事的内容として知っておくといいかもしれません。
▼行政国家における公務員
各省庁などで働く国家公務員は公務員のエリート。特にエリート中のエリートは官僚と呼ばれ、有名大学出身者が多い。近年は行政の役割が肥大していることもあり、公務員の影響力が大きくなっているが、議員(立法権)より官僚(行政権)が優位に立つことが問題視されてきた。
課題➀委任立法の増加
委任立法とは、法律に必要な内容を国会以外の行政機関が定めることである。具体的には政令(内閣)、省令(各省大臣)などがあり、具体的規則や罰則などを定めることができる。本体国会議員が作るべき法律を、官僚に任せて(委任)作らせて(立法)しまうため、あまりにも増加した場合、本来の立法機関である国会の存在意義が薄れてしまう。
課題➁官僚の天下り
官僚の組織はピラミッド型であり、幹部に昇進できなかった人が出てしまう。このような人が早期退職をして、紹介された民間企業に再就職することを天下りという。天下りにより、複数企業を転々とし退職金を得ることや、企業と元官僚が密接に繋がることで癒着が生まれることなどが、批判の対象となっている。全面的に禁止されたが、事実上なくなってはいないと言われている。
上のような官僚と企業の癒着、それに加えて政治家との癒着関係を表したものを「鉄のトライアングル」という。汚職事件、賄賂などはどの年代でも発生している。
▼行政の民主化
行政が国民にとって不利益の無いよう、不正が起こらないための枠組みが作られている。国会による国政調査権や、行政権による行政委員会(★以下解説)、国民によるオンブズマン制度などが一例である。これらの他にも、公正な手続きを定めた行政手続法(1994施行)や、国家公務員に対するルールを徹底した国家公務員倫理法(2000施行)などが頻出である。
▼行政改革の流れ
行政改革とは
肥大化した行政組織に対し、高度経済成長期から改革が進められている。基本的な考え方は”スリム化”であり、組織の再編や民営化が進められてきた。
なぜ民営化をするのか?
民営化とは国が管理する業務を民間へ移していくこと。国の税金が使われなくなることで、財政面でもスリム化が実現されるほか、コストを意識した効率よい運営が実現できることも期待される。一方で、利益を求めることで安全性が置き去りにならないかという懸念がある。民営化の頻出POINTは2点あるので、確実に抑えておきましょう。
コメント