公共授業ネタ17 衆院選を教材化!①選挙制度

教員向け投稿

はじめに

新たな教科として始まった公共。今後入試科目として組み込まれることが決まった以上、入試問題によって授業のあり方も変えていかなければならないとは思っています。しかし、せっかくの新科目なので新たな挑戦ができればとも思っています。

私の意識としては、1時間のうちに作業できる時間を10分~15分(50分授業のうち)確保したいという目標を持ちながら、授業作りを進めています。実践した中で手応えのあったものを、本サイトでも紹介していこうと思います。参考になれば幸いです。

作業ネタの設定単元

今回は衆院選が実施されるタイミングで、ちょうど公共の学習単元が選挙・政党になる偶然が起きましたので、リアルな選挙を教材にしてみようと思いプリントを作りました。1回目が選挙制度について、2回目が政党についての2時間構成となっていますので、参考になれば幸いです。

重視した点・授業の流れ

➀実際に自分の選挙区を調べる

この単元では、選挙制度について学習します。大学入試においても、衆議院と参議院の選挙制度の微妙な差が狙われることが多いため、このタイミングで一旦理解できるといいのではないでしょうか。

架空の話だけでは現実味が沸かないので、実際の選挙結果を活用します。直近の衆参それぞれの結果を調べ、実際に自分が住む選挙区をまとめさせましょう。作業時間に余裕があれば、実際に出馬している政治家について詳しく調べることも、効果的だと思います。選挙区選挙では何度も継続して出馬する議員も多いため、数年後、自分が選挙権を持った時に生かされる可能性が高いです。

衆議院・参議院の選挙区・比例区をそれぞれまとめていくと、選挙区割りの違いや定数の違いを改めて知ることができます。さらに、【自分の投票用紙】という欄を作り、「自分なら何を書く?」と考えさせる作業も取り入れました。自分の投票用紙が書けるということは、政治家や政党について深く考えることと、制度を適切に理解できているかの両方ができないといけません。前者は次の単元で行う(授業ネタ18 衆院選を教材化!②政党)として、今回は後者の制度理解を完璧にさせたいものです。先ほどからの繰り返しになりますが、「1~2年後の自分はこれをやるんだ」と自覚させ、選挙を自分事として捉えてもらいたいです。

プリント↓

②追加の課題を提示【応用】

一通りまとめたところで、各選挙制度の違いを改めて振り返り、復習をしていきます。作業量が多いので、想定以上に時間がかかった生徒もいました。改善の余地ありです。早く終わった人には、今回のプリントには載せていませんが、追加の課題として以下の2点を提示しました。

⑴比例代表制の実際の投票数から、ドント方式で当選者数を配分しよう。
→ドント方式のやり方、比例代表制の形式を復習
※電卓機能が使えないと無駄に所要時間がかかってしまいます。要注意。

⑵各政党の比例代表制名簿を見比べて、違いを書きましょう。
→名簿順位を設定している政党とそうでない政党の違い
→名簿順位が同率に設定されている候補者はどのように当選を決める?
重複立候補惜敗率特定枠ついての学びに繋がる

以上のように、選挙の特設サイトを参考にすれば、教科書で習う選挙制度の内容は全て網羅できます。同じタイミングでない場合も、直近の選挙特設サイトを用いれば問題なく実施可能なので、ぜひ試してみてください。

まとめ

冒頭に述べたように、政治への関心は人によって大きな差があります。「この人見たことある」「○○大学出身じゃん」なんて些細なことからでも、まずは触れることが大切かと思います。細かい選挙制度については、政経で実施するとして、公共の段階ではひとまず自分が自信をもって選挙に行くことができるよう、必要な知識や準備を伝えていきたいと考えました。生徒のレベルに応じて、作業の工夫をしてみてください。

実施した後の反省点

かかった時間

全部で40分程度

反省点

途中で述べたように、作業量が多かったのか想定より多く時間がかかってしまいました。必要な知識を身につけるために大切にしたい部分を厳選し、作業量を精選する必要がありそうです。

よかった点

今回はNHKの特設サイトを統一して使用しました。黒板で映しながら展開することもできますし、このサイトは比較的わかりやすいと思います。時間が余れば候補者本人のホームページなども検索させましたが、プロフィールや職歴・学歴をみて盛り上がっていました。

よかったら試してみてください!質問等ありましたら、お気軽にコメント欄へお書きください。

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