共通テスト政経過去問14 政党政治と選挙制度

政経

共通テストの過去問を中心に演習問題を掲載しています。
解答・解説も含めて、参考になれば幸いです。

問1 小選挙区制と比例代表制とを比較した場合,それぞれの選挙制度の一般的な特徴に関する記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 小選挙区制は,死票が少なくなりやすい制度といわれる。
② 小選挙区制は,多党制になりやすい制度といわれる。
③ 比例代表制は,政党中心ではなく候補者中心の選挙となりやすい制度といわれる。
④ 比例代表制は,有権者の中の少数派の意見も反映されやすい制度といわれる。

解答解説 click↓
解答④ 【解説】①②小選挙区制は一つの選挙区に一人の当選者を出す制度で、死票が多くなりやすい。また、主要政党が勝つ可能性が高いため、一党制や二大政党制が生じやすい制度となる。①②はいずれも間違い。③④比例代表制は、候補者よりも政党中心の選挙となり、当選者は表に応じて配分する仕組みを採っている。少数派の政党が議席を獲るチャンスもあり、少数派の意見を反映しやすい制度と言われている。

問2 日本における現在の制度の記述として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 衆議院議員選拳では,複数の小選挙区に立候補する重複立候補が認められている。
② 投票日に投票できないなどの事情がある有権者のために,期日前投票制度が導入されている。
③ 国が政党に対して,政党交付金による助成を行う仕組みがある。
④ 政治家個人に対する企業団体献金は,禁じられている。

解答解説 click↓
解答➀ 【解説】①衆議院選挙でのみ重複立候補が認められている点は間違っていないが、その説明がおかしい。複数の選挙区に立候補できる訳ではなく、小選挙区制と比例代表制をいずれも立候補できる制度である。

問3 選挙の原則や選挙制度の特徴に関する記述として適当でないものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 秘密選挙とは,有権者の自由な意思表明を守るため,投票の内容を他人に知られないことを保障する
選挙の原則を意味する。
② 小選挙区制は,大選挙区制と比べた場合,各党の得票率と議席占有率との間に差が生じにくい選挙制度とされる。
③ 普通選挙とは,納税額や財産にかかわりなく,一定の年齢に達した者に選挙権を与える選挙の原則を意味する。
④ 比例代表制は,小選挙区制と比べた場合,多党制が生じやすい選挙制度とされる。

解答解説 click↓
解答② 【解説】②大選挙区とは一つの選挙区で複数名の当選者を出す制度である。順位順に当選者が決まるため、得票率と議席占有率は近づきやすい。小選挙区制では1位の候補者しか勝てないため、得票率が51%対49%でも、議席占有率は100%対0%となってしまう。

問4 利益集団(圧力団体)についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 政府や議会に働きかけて政策決定に影響を与え特定の利益を実現しようとする集団のことを,利益集団という。
② 政治的な主張の近い人々が集まって政権の獲得を目的として活動する集団のことを,利益集団という。
③ 日本においては,利益集団の代理人であるロビイストは国会に登録され活動が公認されている。
④ 日本においては,利益集団のニーズに応じて利益誘導政治を行うことが推奨されている。

解答解説 click↓
解答➀ 【解説】②このような集団が政党と呼ばれる。政権の獲得を目的としていることがポイント。③ロビイストとは、特定の主張を有する人が政府の政策に影響を及ぼすことを目的として私的な政治活動を行う人を指すが、日本では癒着のイメージが強く根付いていない。元々はアメリカで登場した言葉である。④も同様に、癒着のイメージが強まるものは日本では受け入れられにくい。

問5 選挙運動の規制についての記述として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 公職選挙法では,候補者が立候補を届け出る前の選挙運動は禁止されている。
② 公職選挙法が改正されて,選挙に際して投票を依頼するための戸別訪問が解禁された。
③ 公職選挙法が改正されて,候補者と一定の関係にある者が買収などの罪で有罪とされた場合に候補者自身の当選を無効とする連座制が強化された。
④ 公職選挙法では,選挙運動のための文書図画を配布することは制限されている。

解答解説 click↓
解答② 【解説】②戸別訪問とは候補者が家に訪問し行う選挙活動であるが、公職選挙法により禁止されている。

問6 日本の政治に関する記述として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 日本国憲法は,法案の採決の際に国会議員の投票行動を所属政党の方針に従わせる党議拘束を禁止している。
② 公職選挙法は,候補者が立候補を届け出る前の選挙運動である事前運動を認めている。
③ 政治資金規正法は,企業や団体による政党への献金を認めている。
④ 公職選挙法は,インターネットを利用した選挙運動を禁止している。

解答解説 click↓
解答③ 【解説】③政治資金規正法が禁じているのは、企業や団体から「政治家個人」に対する献金のこと。①従うかどうかは個人に委ねるとして、党としてこの方針で進もうと拘束すること自体は禁止されていない。②事前運動は禁止されている。④インターネットを利用した選挙運動は解禁されている。しかし、インターネットによる投票は導入されていないことや、電子メールを使った選挙運動が規制の対象に入ることなどには気を付けて覚えておこう。

問7 日本の政党政治についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 1955年の自民党結党以降,2009年の鳩山内閣の成立まで政権交代は起きなかった。
② 1960年代から70年代にかけて,野党の多党化が進行した。
③ 自民党と社会党は,1970年代には国会でほぼ同数の議席を保持していた。
④ 自民党の特徴とされた派閥は,1980年代には消滅していた。

解答解説 click↓
解答② 【解説】①1993年に自民党が単独で過半数を獲得できず、非自民系の8党によって連立政権が樹立した。③自民党と社会党は55年体制を形成する二大政党であったが、実際には自民党の半数程度の議席しか獲得できていなかった。④派閥は現代においても存在している。

問8 55年体制に関連して,戦後の日本政治についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 社会党の再統一と保守合同による自民党の結成以降,55年体制が形成され,自民党と社会党の二大政党が政権交代を繰り返した。
② 中選挙区制の下では,同一選挙区内で同一政党の候補者が複数立候補することはないので,政党・政策中心の選挙が行われた。
③ 政治改革を求める世論を背景として細川連立政権が誕生した翌年に,衆議院議員選挙に,小選挙区比例代表並立制が導入された。
④ 自民党は細川連立政権崩壊以後で政権の座にあった時期,他の政党と連立を組んだことはなく,単独政権を維持し続けた。

解答解説 click↓
解答③ 【解説】②中選挙区制では、複数当選者を出すことから、同一政党の候補者が立候補して複数議席の獲得を目指すこともあった。④90年代以降の自民党は、公明党を中心に連立政権を維持し続けている。

問9 2007年から2009年まで続いた「ねじれ国会」についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 「郵政解散」による衆議院議員総選挙の直接の結果として生じた。
② 有事法制関連3法が成立した。
③ 参議院の第一党と内閣総理大臣の所属政党とが異なっていた。
④ リクルート事件を原因とする政界再編によって解消した。

解答解説 click↓
解答③ 【解説】2009年の民主党への政権交代前後では、ねじれ関係になることが多かった。ねじれ国会の状態から、09年衆院選で民主党が大勝し、政権交代を果たしている。

問10 政党に関連する記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 無党派層とは,政党の公認を受けた候補者には投票しない人々をいう。
② 明治憲法下の一時期,政党内閣が登場し政権交代も行われた。
③ 日本国憲法の思想・良心の自由の保障の下では,議院における議員の投票行動を政党が拘束することは法律で禁止されている。
④ 第二次世界大戦後初の衆議院議員総選挙で,自由民主党の一党優位が成立した。

解答解説 click↓
解答② 【解説】①無党派層とは、特定の支持を持たない有権者のことをいう。③これを党議拘束というが、禁止されているわけではない。実際に行われているが、最終的に従うかは個人の自由である。④戦後初の衆院選では日本自由党と日本進歩党という政党が政権を担っていた。自由民主党が誕生したのは1955年から。

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました