このシリーズでは、単元別講義とは別に、入試によく出る部分をより深く掘り下げる記事を作成していきます。図解とともに根本的な理解ができるよう工夫していきます。今回は「国会」の範囲で登場する「鉄のトライアングルとは?」というテーマについてピックアップしました。最後まで読んでください!「国会」を解説した記事はこちら↓

鉄のトライアングル(政・官・財の癒着)とは?
政経の「国会の課題」「現代日本の政治」分野で、戦後日本の構造的問題として必ず登場するのが「鉄のトライアングル」です。「言葉は聞いたことあるけど、具体的に何が問題なの?」「癒着って具体的にどういう仕組み?」そんな疑問を、今回もポイント図解でスッキリ整理していきましょう。
1. 鉄のトライアングルを構成する「3者」
鉄のトライアングルとは、日本の戦後復興を支えた一方で、政治の不透明さを生んだとされる「政・官・財」の密接な協力関係のことです。
- 政(政党・族議員): 特定の業界に強い影響力を持つ国会議員
- 官(官僚): 許認可権や予算編成権を持つ各省庁
- 財(財界・企業): 公共事業を受注したり、規制緩和を求める業界団体
これら3者が、互いに利益(ギブ・アンド・テイク)を融通し合う三角形が、あまりに強固(鉄のように硬い)であることからこう呼ばれるようになりました。それぞれの関係を図示したので、参考にしてください。

2.三者の利害関係(ギブ・アンド・テイク)
ここが試験に出るポイントです。矢印の方向と内容をセットで覚えましょう。
- 「政」から「官」へ
- 族議員による働きかけ:特定の省庁の政策に精通し、業界と関わりの深い族議員と呼ばれる国会議員が、省庁に対して予算を特定の事業に回すよう圧力をかける。見返りとして法案を通すために尽力する。
- 「官」から「財」へ
- 許認可・予算配分: 公共事業の割り当てや、業界に有利なルール作りを実施して恩を売る。
- 天下り: 退職した官僚を、関連企業や外郭団体の役員として送り込む。問題視されたが、禁止されているわけでは無いため、現在も実施されているだろう・・・。
- 「財」から「政」へ
- 政治献金・集票協力: 選挙資金の提供や、業界団体を挙げての投票協力を行う。見返りとして、自分たちの業界に有利な政策・規制緩和などを求める。
試験に出るキーワード:族議員
特定の省庁(農林水産、建設など)の政策に精通し、その業界の利益を代表して発言する国会議員のこと。「鉄のトライアングル」の要となる存在です。
3. 何が問題なのか?(デメリット)
この仕組みは、戦後の高度経済成長期には「効率的な意思決定」として機能しましたが、現在では以下のデメリットが批判の対象となっています。
- 税金の無駄遣い: 必要性の低い公共事業が、業者への利益供与のために継続される。
- 政治の不透明化: 密室で物事が決まり、主権者である国民の声が届きにくくなる。
- 競争力の低下: 規制に守られた既得権益が優先され、新しい産業が育ちにくくなる。
東京オリンピック・パラリンピックを巡る汚職事件(2022年〜)
- 癒着の構図: 大会組織委員会の元理事(官に近い立場)が、スポンサー選定において特定の広告代理店や出版社(財)に便宜を図り、多額の賄賂を受け取っていた疑いで逮捕されました。
- 問題点: 本来、公平に行われるべきスポンサー選定が「コネ」や「裏金」で決まってしまい、大会の信頼を大きく損なう結果となりました。
まとめ:現在の動き
現在では、この「鉄のトライアングル」を打破するために、政治資金規正法の改正や天下りの規制強化、官邸主導(政治主導)への転換などが進められています。しかし、近年になって汚職事件が全くなくなった訳ではありません。定期的にそのような報道されるたびに、この構造的な問題が根深く残っていることが浮き彫りになりますね。
記述試験で「鉄のトライアングル」について問われることもあるでしょう。その場合は、「政・官・財の癒着」というキーワードを軸に、「天下り」や「政治献金」という具体例を盛り込むと得点が安定します!
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