今回は国会の運営と課題についてです。前回の投稿よりは発展的な内容を含むので、丁寧に理解するよう心がけてください!前回の投稿を見ていない方はこちらからどうぞ!

国会の運営
国会の種類
「国会議員は1年中国会で活動しているのか?」意外と知られていませんが、実は国会が開催されるのは約半年だけです。これが1月から行われる通常国会(常会)というもので、会期150日間(=約半年間)開催されます。
じゃあ残り半年は・・・?となりますよね。ここでは大体の場合、まだ議論の必要があるときに開催される臨時国会(臨時会)が行われます。先ほど半年だけと書きましたが、結局臨時会が召集されれば年末まで国会が開かれることになります。もしこれが開催されない場合は、地元での政治活動や講演会・勉強会を行うそうです。2023~2025年の国会スケジュールをまとめてみたので、具体例と併せてイメージをつかんでいきましょう。

この臨時会と混同しやすいのが、解散総選挙後に実施される特別国会(特別会)です。両者の区別は頻出。文章で説明できるよう、根本的に理解できるといいですね。

国会の議論
国会の議論される内容は、全て本会議で行われているわけではありません。アメリカをならった委員会制度を採用しており、各院の議員はそれぞれの専門性に即して委員会に所属しています。委員会は衆参それぞれ17ずつあり、まずはこの場で案を作り上げていきます。その際に、場合によっては利害関係者や有識者を招いての公聴会が開催されることもあり、練られた議案が最終的に本会議で審議されるという流れで進みます。
憲法改正の発議
国の唯一の立法機関である国会ですが、法律よりも大きな権限をもつ憲法についても改正の権限を持っています。ただし、一般的な法律とは区別され、より厳格な過程で制定されます。このことから、日本の憲法は改正しにくい性質があり、硬性憲法と呼ばれます。憲法改正の手順は入試でも頻出なので、下の図を覚えておきましょう。

間違いやすいポイントは、国会での発議に必要な賛成数が「総議員の2/3以上」という部分です。出席議員ではなく総議員。法律案の再可決は出席議員の2/3、憲法改正の発議は総議員の2/3と覚えておきましょう。また、国会の審議が終了後、国民投票が実施される点にも注意が必要です。国民投票では過半数の賛成が必要なので、国会の発議と区別しましょう。国民投票についての知識も問われることがありますが、一般的な選挙とは別の法律で規定されているので、以下の図を参考にしてください。

国会の課題
国会の課題➀ 政治家よりも官僚主導の国会
国会では、国会議員以外の人が答弁を行うこともあります。特に、官僚と呼ばれる各省庁のエリート公務員達は、専門的な知識を持ち、立法をサポートする役割を担っています。しかし、官僚の役割が大きくなるにつれて、国会議員の答弁は官僚が作成した原稿を読むだけ、大臣の代わりに答弁を行う政府委員の存在感が増す、といった状態に陥り、政治家の存在意義が薄れるという課題が生まれました。
これにより、官僚と政治家間の癒着が横行し、企業(財界)も関連した三者での癒着関係は「鉄のトライアングル」と呼ばれました。政治家が本来あるべき役割を果たせるよう、2001年以降のところで国会制度の改革が行われています。
鉄のトライアングルについては、以下の投稿を参照してください。

話は戻りまして、政治家主導の国会を目指し成立した「国会審議活性化法」(1999成立・2001施行)により、政府委員が廃止されました。新たに政治家から副大臣・大臣政務官という役職を選出する制度を作り、政治家主導の国会に戻していこうとする動きが進められています。

国会の課題➁ 活発な議論が為されていない!
国会での議論が形式的であるという課題を受け、活発な議論を求めるために始まったのが党首討論の制度です。イギリスの議会にならって1999年に導入され、2000年に現在の形式となりました。
野党党首と首相との1対1という形で活発な議論が期待されてきましたが、近年は年に1度という年もあり、開催の意義が薄れてきているのが現状です。野党党首の参加者が多く、持ち時間の短い議論に消極的であることが1つの要因となっていますが、政治観をぶつけ合う熱い議論は必要であると思いますし、有権者が政治家を見定める貴重な機会です。制度を見直し、より多くの国民が見られる形にしていけることを期待しています。

以上、国会の運営や課題についてでした。次回の投稿でも登場する、内閣(行政)との関わりも含めて、国会は頻出単元になります。ポイントを抑えておきましょう!一問一答もチャレンジしてみてくださいね。

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