今回は国会の基本についてです。国会は国の機関で最も重要とされており、主権者である国民の意見を直接代表する機関です。その国会が内閣や裁判所とどのように関わっているか、衆議院と参議院がどのように関わり合っているかなどがポイントになります。
国会の権限
憲法にも記されているように、国会は主権者である国民の代表として立法を担い、国の機関で最も重要とされます。国会に立法権、内閣に行政権、裁判所に司法権を帰属させ、互いが抑制・均衡し合う三権分立を定めています。
特に、日本は議院内閣制を採っており、国会と内閣が連帯していくため、それぞれの役割・権限については紛らわしく、覚えにくい部分も多いです。表でまとめましたので、区別して抑えていきましょう。

ポイント① 法律案は議員だけでなく、内閣も提出する!
法律案は、議員によるもの(議員立法)だけでなく、内閣も提出します。国会議員の法律案は野党議員からのものも多いため、与党の賛同が得られないと多数決で敗れてしまいます。そのため、議員立法は成立率が低いことが特徴です。一方、内閣は国会の与党議員を中心に構成されているため、そのまま国会でも多数派の賛同を得ることができ、成立率が高くなっています。
国会が唯一の立法機関と呼ばれるのは、最終的な議決権限が国会にあるからであって、内閣も法案を作成することがあります。この点は間違えやすいので注意しましょう!

ポイント② 条約の承認は事後でも可能!
「条約の承認」と聞くと、事前に調査し承認した後で締結しないとといけないと思われるかもしれません。実は事後の承認でも可能となっています。
ポイント③ 弾劾裁判は国会の仕事! ※超頻出
弾劾裁判とは、裁判官を罷免するかどうかを決定する裁判です。裁判といわれると司法権を想像してしまいますが、国会の仕事であることをしっかり覚えておきましょう。裁判官を裁判官が裁く状態になっては不公平が生じるため、国会が代わりに行うというものです。
弾劾裁判では、衆参両院から7名ずつの計14名が国会の代表者として選出され、裁判の業務にあたります。過去に数件事例もあり、2013年には電車内で女性を盗撮をした裁判官が、この弾劾裁判により罷免された例がありました。
ポイント④ 国政調査権は国会の仕事!
先ほどの弾劾裁判と同じく、国政調査権も内閣の業務と混同しやすいので注意です。この権限は、各議院が国政の問題などを調査するために、証人の出頭、証人喚問の実施、証拠の提出などを求めることができます。この権限については、衆議院と参議院のどちらの院にもあります!
衆議院の優越
国会は衆議院と参議院の二院制となっています。明治憲法下では、衆議院と貴族院という二院制でしたが、日本国憲法で改められ、現在の形になりました。定数については、時代によって若干の差がありますし、今後変更する可能性も大いにあります。データの変更が遅れる可能性もあるので、注意してください。(以下の表は2026年2月現在のものです)

上に示したように、任期や解散の有無に違いがありますが、いずれも衆議院の方が短期間で任期を終えるしくみとなっています。※表にもあるように、任期満了まで終えた事例は過去1度のみであり、満了までに解散をしてしまうパターンがほとんどです。平均3年程度の任期になっています。
任期が短く、解散もあるという一方で、衆議院は参議院よりも強い権限を与えられており、これを衆議院の優越といいます。
衆議院の優越には主に3つの権限があります。1点目は「予算の先議権」で、その名の通り予算案を先に審議すること。衆議院の多数派から内閣は構成されるため、内閣が作った予算案は衆議院ではすんなり通過します。スピーディーに議論を進めることができます。
2点目は「内閣不信任決議権」で、この権限は参議院にはありません。上に示したように、内閣と衆議院は連帯して行動する仲間同士ですが、まれに仲間割れを起こすこともあります。この場合に、衆議院が内閣不信任決議を行う権限が与えられます。逆に、内閣が衆議院を解散させる権限も持っており、お互いの関係をリセットし合えるようになっています。
3点目が「議決の優先権」ですが、ここは少し複雑なので要注意です。様々な議決を行う国会ですが、衆参で議決が異なる場合もあります。この場合に、衆議院の議決を優先させることが定められていますが、議決の内容によって対応が異なるため注意して抑えましょう。

上の表によると、両院で議決が一致しない場合、両院協議会を開くとされています。厳密にいうと、「法律案の議決」の場合のみは、任意での開催となっています。それ以外の議決の場合は必須です。細かい知識ですが、余裕のある人は覚えておきましょう!
以上の内容が国会の基本です。実際にどのような審議を行っているのかや、近年の課題等は次の投稿でまとめていこうと思います。

コメント