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政経講義12 社会権をわかりやすく

今回は社会権についてです。社会権の中には生存権(25条)、教育を受ける権利(26条)、勤労権(27条)、労働三権(28条)などが含まれますが、最もよく出るのは生存権についての内容です。勤労権は後の労働問題の単元でも詳しく扱うため、今回は生存権を中心にポイントをまとめていきます。

目次

生存権とは

生存権の考え方

憲法第25条

生存権を規定した第25条では、「健康で文化的な最低限度の生活を保障する」という規定があります。この目標を達成するため、社会保障制度の整備や公衆衛生の向上に努めています。

ここで生まれる疑問が、「健康で文化的な最低限度の生活」ってどんな生活…?ということです。「健康」の定義ならまだ何となく一致するかもしれませんが、「文化的」というのは人によって異なるのではないでしょうか。「趣味に没頭できること?」「好きな服を着られること?」「最低限度の生活にしては、良い暮らしな気もする…?」このように、どこまでの生活を保障すればいいのかという基準は明確に判断できません。

生存権について争われた判例として、朝日訴訟(1957訴訟)という事件がありますが、「健康で文化的な最低限度の生活」の基準についてが争点となっています。

生存権の判例

朝日訴訟

生存権の判例として最も有名なのが、朝日訴訟です。この裁判は、肺結核で入院していた朝日茂さんが、当時の生活保護制度では生存権の保障がされていないとして、国に対して訴訟を起こしたものです。細かい経緯については、簡単にイラストでまとめたので、見てみてください。

朝日訴訟の経緯

朝日訴訟は、最高裁判決まで続きましたが、最終的に朝日さんの死亡によって終結を迎えることになります。裁判所の判断としては、「低額の感はあるが、違法とまでは断定できない(第二審:東京高裁)」とのことであり、さらに最高裁ではプログラム規定説を採用して、憲法25条が国民1人1人の具体的権利を保障したものではなく、法的拘束力はないとする考え方を示しました。

プログラム規定説とは

プログラム規定については頻出事項なので別の記事でまとめていきます。そちらを参照してください。

実質朝日さんは敗訴という形になりましたが、この訴訟は世論を動かすきっかけとなり、生活保護の日用品費が大きく引き上げられています。

その他の生存権の判例

生存権の判例①
生存権の判例➁

その他の社会権

教育を受ける権利

その他の社会権として、まず教育を受ける権利があります。第26条にて、「すべての国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と規定されており、国民に教育を受ける権利を保障している。
経済的な貧富や能力に関係なく、等しく教育を受けることができるように、国は必要な施策を行います。26条の第2項では「すべての国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とすると規定されており、義務教育の無償は憲法にて定められています

憲法上では国民の義務についても定められており、ここにも教育に関する内容があるが、違いに注意!
*第26条1項→教育を受ける権利
*第26条2項→子女に教育を受けさせる義務

受けるのは権利、受けさせるのは義務と覚えておきましょう。

勤労の権利

勤労に関する権利は、勤労の権利義務について規定した勤労権(27条)と、労働者を守るための労働基本権(28条)があります。ここは経済分野の労働問題で詳しく扱うため、そちらの投稿を確認していただければと思います。

ひとまずこの単元は、生存権を中心に復習しておきましょう!

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この記事を書いた人

公民担当の高校教員としてさまざまな学校を経験。学習意欲の湧く教材作りをモットーに、プリントを自作しています。高校生や先生方の参考になれば幸いです。InstagramやTikTokでの投稿もしています。※このサイトはアフィリエイト広告を掲載しています。

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