現在世界には196カ国という国がある。(2022年現在、日本が国として認めている数)しかし、政治のやり方についてはそれぞれ違う特徴があり、それらの比較が頻出となる。特によく出るのが、議院内閣制のイギリス、大統領制のフランス、権力集中制の中国。順番にポイントを解説します。
▼イギリスの政治体制
上に挙げたように、イギリスは議院内閣制。つまり議会と内閣が連帯して政治を行う。どのような関係性であるか、下の図にまとめてみました。
イギリスには国王が存在するが、日本の天皇と同様に象徴的な存在となっている。
そして貴族院と庶民院の二院制となっている。実際に選挙で選ばれるのは庶民院となっており、ここで多数派になったところから首相が選出される。
日本と同様に、リーダーを直接選挙するわけではないという点がポイントとなる!
また、イギリス独自の特徴としては2点抑えておきたい。1点目は多数派になれなかった勢力、つまり野党側が「影の内閣(シャドー・キャビネット)」を組織して、権力を奪った際にすぐ運営ができるよう準備していること。
2点目は2009年に最高裁判所が設置されたこと。それまでは貴族院がその機能を兼ねていたが、この設置により司法が独立し、議員と裁判官を兼務することは無くなった。
▼アメリカの政治体制
アメリカは何といっても大統領制の国。議会の多数派から首相が選出される議院内閣制とは異なり、国民の選挙により大統領が選出される。関係図は以下の通り。
アメリカのポイントも2点。
1点目は、上記のように直接国民から選ばれるということで、大統領には強い権限が与えられること。法案や政策の提言を行う教書を送付できることや、議会の決定に対しての拒否権が認められるなど、1人で国全体を左右する決定が可能となっている。
2点目は、それぞれの権力が厳格に分離しているということ。議会と大統領は別の選挙でそれぞれ選ばれるため、権限が明確に分離している。司法も独立しており、厳格な三権分立が採用されている。
その他にも、任期が4年で三選禁止であることや、共和党と民主党の2大政党が政権を争っていることなどもあわせて抑えておきたい。
▼中国の政治体制
最後に中国。ここは権力集中制の国である。図で紹介すると一目瞭然なので、まずはこれをみて欲しい。
立法機関である全国人民代表大会(以下:全人代)が、国家主席や司法、軍隊に対しての決定権を持っており、その全人代を指導するのが中国共産党である。当然、全人代の過半数が占められており、国家主席も中国共産党からの推薦となる。
▼首相と大統領の権限
以上のように立法と行政の関係性は、国それぞれであるが、中には首相と大統領が共存する国もある。そのような国については、どちらが権限を持っているのかを抑えておく必要がある!表で確認しておこう。
その他、大統領制を採る国として、インドネシア・フィリピン・ミャンマー、議院内閣制を採る国として、シンガポール・タイ・マレーシア、権力集中制を採る国として北朝鮮などが例として挙げられる。また、イランはイスラームの原理に基づく政治を行うイスラーム共和制を実施している。
最後の辺りはマニアックな内容ですが、序盤から中盤の内容は頻出ポイントとなってきます。過去問等をしっかり復習して身につけておきましょう。
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