政経まとめ06 –自由権–

判例 自由権政治分野

 今回は、vol.5で登場した日本国憲法の権利をさらに深めていく。憲法が入試に出題される場合、権利の種類にまつわる問が多いが、難しいものだと、さらにその権利について争われた裁判例(=判例)が問われる場合もある。判例は入試の頻出pointであると同時に、憲法の権利について考えを深めることにも繋がるので、是非内容を理解して「自分だったらどう考えるか」という点まで挑戦してみてほしい。

 この記事では、自由権における判例をまとめていくので、上にも書いたように「①裁判の内容→ ②構図(どんな権利の争いか)→ ③裁判の結果」の流れでポイントを整理しよう。

自由権の判例 思想・良心/学問の自由

自由権判例➀

 ちなみに「原告」とは民事裁判で訴えを起こした側、「被告」とは民事裁判で訴えられた側のことをいう。

 この中で特に「三菱樹脂訴訟」は頻出判例だ。憲法の人権規定は「直接一人の私人間」に適用されるわけではないとして、原告の訴えは退けられた。企業の「雇用の自由」を優先させたように、権利が衝突した際にいずれかの権利が制限されることはある。

自由権の判例 信教の自由

自由権判例②
自由権判例③

 ここで重要ワードとなるのは「政教分離の原則」だ。
★政教分離=国が特定の宗教団体に特権を与えてはならないという原則であり、国が特権を与え個人の信仰を制限することがないように定められている。

 ここで争点となるのは、「特定の宗教」というものがどこまでのものかということ。例えば「国がA宗教団体の信仰を強制する」…これは完全にアウトだ。では「初詣で国民的に有名な神社へ国が補助金を出す」とか「クリスマスイベントを国が企画」とかはどうだろう…?日本人の感覚からすると、そこまで宗教との癒着という感じはしないね。この線引きが難しい。

自由権の判例 表現の自由

自由権判例④

 チャタレイ事件や家永教科書訴訟を見てもわかるように、「表現の自由」は制限を受けやすい傾向がある。その人が見せたい(表現したい)からといって、多くの人が不快に思うようなことは認められない。

自由権の判例 経済活動の自由

 上の薬事法は、近くに薬局を作るのはやめましょうという規定。なぜこのような規定があるのか。理由は「近くに薬局が共存することにより競争が起き、質を落とした薬が出回る恐れがあるから」というもの。この規定が本当に必要なのか?理不尽ではないか?という議論がなされ、違憲判決が出た。結局、距離制限規定は削除され、経済活動の自由が保障される形となった。

 下の森林法は少々難しいが、ざっくり言えば森林という財産を扱う際の制限が理不尽だったということ。薬事法の判例と同様、違憲判決が出たのちにこの規定が廃止されることとなり、財産権の保障が優先される判例となった。

いずれも違憲判決が出ていることから、裁判所の分野でも出題が多い。併せて抑えておこう。→〈政経まとめ14 違憲法令審査権〉

以上が自由権の代表的な判例である。模試や入試過去問を見てきた中での独断ではあるけれど重要度を分類してみました…。★3つの判例は確実に抑えましょう!

 ★★★ 三菱樹脂/津地鎮祭/愛媛玉ぐし料薬事法
  ★★ 家永教科書/砂川政教分離/森林法
   ★ 東大ポポロ劇団事件/チャタレイ事件

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