政経まとめ50 –地域経済統合–

国際分野

 今回は「地域経済統合」について。以前の投稿で、貿易体制について紹介したが、GATT体制の下では交渉が多国間で実施されると説明した。参加国が増えれば増えるほど、交渉が難航するデメリットがあり、近隣国や関わりの深い国同士での経済統合が活性化するようになった。

 世界各地で形成される経済統合を紹介するとともに、特にヨーロッパを中心とするEUは頻出なので、詳しく解説していく。

➀世界各地の地域経済統合

まず、現在作られている代表的な経済統合を紹介する。

世界各地の地域経済統合

USMCAとは、米・加・メキシコが参加するNAFTAを包括的に見直した協定。2020年に結ばれた協定のため、最新でない教材では変わっていない場合もある。NAFTAに比べて自由化の性質が弱い。

AECはASEAN経済共同体といい、東南アジアと中心とした経済統合となっている。1993年に設立されたAFTAを原型としているので、AFTAという単語も覚えておこう。

世界の経済統合

②EU(欧州連合)について

EUの歴史

ヨーロッパにおいて形成されている経済統合がEUである。先進国も多いこの地域が結束することにより、米中や日本といった経済大国にも劣らない経済力を誇るようになり、国際的な地位も高まっている。まずはEUに至るまでの歴史を紹介する。

EU成立までの歴史

上の表のように、3つの組織が合体してECという組織ができたのが、EUの原型となっている。原加盟国とは始まった当初の加盟国で、6カ国からのスタートであったが、次第に追加されていき、現在は20カ国を超える規模となっている。

EUの歴史の中で抑えておくべきポイントは、ECからEUに発展したきっかけとなったマーストリヒト条約(1992)、通貨統合を実現しユーロが導入されたこと(1999)、リスボン条約(2009)が調印され、EU大統領を新設するなど政治統合を実現したこと。この3点は大きな転換点として抑えておきたい。

また、時事的な内容として、イギリスのEU離脱問題も出題可能性はある。これについては次の単元で詳しく解説します。

イギリスのEU離脱問題

ヨーロッパの中でも大国の一つであるイギリスにおいて、2016年にEU離脱に関する国民投票が実施された。ここでわずかに離脱派が多くなり、イギリスはEU離脱を選択することになる。

なぜイギリスはEUを離脱したかったのか

EUでは人の移動が自由なため、イギリスは多くの移民を積極的に受け入れてきた。しかし、不況により雇用環境が悪化すると、移民により職が奪われているという不満が国民から噴出し、EU離脱を唱える立場が出現した。

EU離脱派と残留派

上の表にまとめたように、残留を主張する立場も一定数いたことや、イギリス政府と議会の対立など、EU離脱に関する協定は長期化したが、最終的に2020年1月、イギリスはEUから離脱することになる。

③FTAとEPA

FTAやEPAとは何か

WTO(世界貿易機構)を中心として、世界貿易は自由化への道を目指してきた。しかし、全会一致を原則とするこの交渉では、合意に時間がかかるデメリットがあった。

それらを背景に多く結ばれるようになってきたのが、FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)といった協定である。国家間や地域間で結ぶことができるため、比較的短期間で合意することができる。

FTAとEPA

日本はWTOでの交渉を重視していたため、少々出遅れてはいたが、シンガポールやタイといった東南アジア、メキシコ、カナダ、オーストラリアなど、様々な国でEPAを結んでいる。

また、日中韓でのFTA(交渉中)や、日本とEUでのEPAなど、多国間での協定も形成されてきており、特にアメリカや豪州、カナダなどによるTPP(環太平洋パートナーシップ協定)は大きな話題となった。

TPPとは

TPPとは、貿易や投資の自由化に加え、知的財産などの幅広い分野でルール構築を目指す経済連携協定である。2015年に大筋合意したものの、アメリカの離脱などが原因で新協定が発効された。この協定は日本国内でも賛否が分かれ、議論となった。メリット・デメリットとして代表的なものを以下に示しておく。

TPPのメリット・デメリット

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