政経まとめ49 –国際貿易体制–

国際分野

 今回は「国際貿易体制」について。以前の投稿で、IMFやIBRDといった通貨体制に関わる組織を学んだが、今回は貿易に関連する組織を学ぶ。混合しやすいので分けて整理しよう。

 背景としては、戦前に各国が関税を引き上げ、対立が深まった失敗がある。貿易での対立が第二次世界大戦の一因となった反省を受けて、戦後の貿易体制を自由で開放的なシステムへ見直していこうとした。

➀GATT(関税と貿易に関する一般協定)

まず、1948年に発効されたGATTは、自由貿易の拡大のため、貿易を阻む障壁を取り除くことを目的とした。GATTの三原則が重要なので、これについては内容まで理解しておきたい。

GATTの三原則

三原則は自由多角無差別の3つである。

GATTの三原則「自由」

自由貿易のための取組として最も大きいのは、関税の引き下げである。関税とは主に輸入税で、貿易で輸出をする際に支払う必要がある税金である。この関税が大きければ大きいほど、自由な貿易は阻害されるため、これらの引き下げや撤廃を目指している。

近年の国際問題として、米中の貿易摩擦があったが、この時も2国間で高い関税をかけ合い、両者の対立が深刻化した経緯がある。

関税以外でも、数量制限などの障壁(=非関税障壁)を撤廃することも、目標の一つとして掲げられている。

GATTの三原則「多角」

多角とは、多方面に派生するという意味があり、個々での交渉ではなく多くの国同士で交渉を進めていこうとすることを目指している。この多国間での交渉のことをラウンドと呼び、段階的な協議が進められてきている。

GATTのラウンド交渉

GATTのラウンド交渉を一覧にすると、基本的には関税の引き下げがメインテーマになっていることがわかる。名前が入試に登場するのは、ケネディラウンド、東京ラウンド、ドーハラウンドくらいで、内容まで暗記する必要もない。ただし、一つだけ頻出な交渉があるので、それだけは覚えておこう。

1986年~94年で開催されたウルグアイラウンドでは、これまでの関税引き下げから大きく発展し、農業分野の自由化知的財産権の貿易についてのルール作成についても議論された。さらにもう一点が、このGATTの意思を引き継いだ形で、正式な機関の設立が決定したことも抑えておいて欲しい。この機関こそが、WTO(世界貿易機関)であり、必ず覚えておこう。

POINT

紛らわしい名前でWHO(世界保健機関)という組織があるが、TはTrade(トレード=交換)だから貿易に関する組織、HはHealth(ヘルス=健康)だから保健に関する組織と覚えておこう。

ちなみに、現在行われているドーハラウンドは、議論がまとまらず停滞中となっている。頭の片隅に入れておこう。

GATTの三原則「無差別」

先ほど示したラウンドにあったように、GATTでは交渉を多くの国で行う特徴がある。そこで、特定の国だけに優遇した条件を与えていると自由貿易の実現が遠のくため、差別を禁止している。最もよい条件を提示した国と同様の対応をすることと義務付けられており、それを最恵国待遇という。

②WTO(世界貿易機関)

GATTの意思を引き継ぎ、1995年に発足したのがWTOである。GATTが多国間協定の一つであったのに対し、WTOは正式な国際機関である。基本的な考え方はGATTを引き継いでいるものの、権限がより強くなったり、紛争処理の対象がモノからサービスや知的財産権にも広がるなど、より広範囲にわたって自由貿易への取組が実施されるようになった。

WTOの細かい内容まではそこまで出題されるわけではないので、基本をしっかりと抑えておきましょう。

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