政経まとめ48 –国際収支–

国際分野

 今回は「国際収支」について。国際収支とは、その国の収支のこと。みんながお小遣いをもらって、欲しいものを買うのと同じように、国も海外から利益を得たり、モノを輸入するために支払を行ったりする。その収支を計算したものを国際収支といい、いくつかの項目に分けられる。

 この問題を攻略するためには、「➀どのような項目があるのか覚えること」「②その項目がどのように分類されるか理解すること」が求められる。➀を暗記するのも少し難しいし、②の理解も非常に複雑であるため、難関単元と覚悟しよう。

➀国際収支の項目

まず、国際収支の項目にはどのようなものがあるか。

国際収支の項目

この項目は、形式が変わっており、2014年から新形式となっている。よっぽど大丈夫だとは思うが、古い参考書や教科書には旧形式で書かれている場合もあるため、注意しよう。

上の図にあるように、大きく分けると経常収支・資本移転等収支・金融収支・誤差脱漏の4種類である。経常収支や金融収支の中に、さらに細かい分類がある。

経常収支

経常収支とは、財やサービスの取引、所得の受払いなどの収支のことで、貿易収支・サービス収支・第一次所得収支・第二次所得収支の4つに分類される。

貿易収支はモノの輸出入の収支で、日本のモノが海外に売れれば、貿易収支はプラスになる。サービス収支は諸々のサービスに関する収支で、例えば海外の人が日本旅行して支払ったお金はプラスとなる。

第一次所得収支は、海外の株や債券、土地や工場などの資産から得た利益を計上する。第二次所得収支は、国際機関への拠出金や、政府が行う無償援助、仕送りなどの、対価を伴わない資金移動の収支を計上する。

近年の日本では、貿易収支の黒字と、活発な投資により第一次所得収支の黒字が大きく、経常収支はプラスであるのが特徴。(※コロナ禍やロシアウクライナ問題などにより、変動は起こっている…)

資本移転等収支

資本移転等収支は、無償資金援助による海外での道路・港湾建設などの社会資本になるものを計上する。経常収支の第二次所得収支と似ているが、その違いについては後で解説する。

金融収支

直接投資や株・債券・金融商品の売買の収支を計上したもの。これも経常収支の第一次所得収支と似ているが、その違いについても後で解説する。

金融収支で注意すべき点が1点ある。以下の図を見て欲しい。

金融収支の注意点

貿易収支やサービス収支などの経常収支は、シンプルにお金の流れを考えればよく、「資金が入ってこればプラス、出ていけばマイナス」となる。それに対して、金融収支は資産を基準に考える。例えば、日本からアメリカの株を買ったとする。資金を払って、株を手に入れるため、資金の流れ的にはマイナスと考えたくなる。しかし、金融収支については「資産が増えたらプラス」と考えなければならない。

なんでですか?と言われても説明が難しい。「金融収支とはそういうものだ」と覚えてもらえるといいと思う。

②国際収支の分類

上で記載した項目の中で、特に判別が難しいものを2つ紹介する。

難ポイント➀投資に関わる収支

第一次所得収支と金融収支の判別

どちらも投資に関わる収支だが、投資そのものの収支と、その投資による配当などの収支によって分類される。利益を求めて海外資産を購入する場合は「金融収支」に含め、投資をした後に配当金などを受け取る場合は「第一次所得収支」に含まれる。

難ポイント②援助に関わる収支

援助に関わる収支

海外への援助という点では共通しているが、仕送りや食糧などの「相手国の資本にならないもの」は第二次所得収支。道路や施設などの「相手国の資本になるもの」は資本移転等収支として考える。

とにかくここまで紹介したものを覚えていくしかない。最後にどのような問題が出題されるかを載せておく。

国際収支の問題例

政経 2015年センター試験追試より
答え(クリックで表示)
正解は①である。

正解を判断するだけでなく、それぞれの選択肢が何に該当するかもわかるといい。②の雇用者報酬は経常収支のサービス収支、③消費財の無償援助は経常収支の第一次所得収支、④の直接投資は金融収支に該当する。

政経 2014年センター試験本試 改題

分類の理解はできた上で、知識や思考力を問う問題も出題される。1985年~2010年の日本経済と言えば、90年代以降はバブル崩壊、2008~09あたりはリーマンショックの影響などがメインイベントとして挙げられるが、それだけではこの問題の正答にはたどり着けない。ある程度の知識も求められる。

日本の国際収支の影響

この傾向を踏まえて考えると、リーマンショックの影響で大きく赤字になっているAが貿易赤字と判断。バブル期以降の日本が、投資収益の増加により大きな黒字を記録していることを知っていれば、Bが第一次所得収支と判断できる。サービス収支は長く赤字が続いているが、近年の観光客の増加により改善傾向にあることを知っていれば、Dがサービス収支。残ったCが第二次所得収支と判断できる。

このグラフの問題は難題に該当するので、できなくても仕方ないレベル。ただし、上に挙げた問題は分類を覚えていれば解答できるものなので、このレベルは確実にできるようにしておきたい。

国際収支は難しい問題も多いので、わからないことがあればInstagramのDMなどで質問してください!以下の「keniをフォローする」のInstagramマークをクリックすると、アカウント画面に飛ぶことができます。

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました