政経まとめ23 –GDPとGNP–

政経まとめ

今回は経済指標に関するポイントをまとめる。みんなが志望大学との距離を測るのに使う「偏差値」や、部活の対戦相手の強さを測るために使う「試合結果のデータ」など、世の中にはさまざまなものさしが存在する。では経済の強さはどのように測るのか。

経済力を示す指標

経済力を示す指標には、大きく分けて二つの考え方が存在する。

国富や、国民資産といった蓄積をカウントするストックと、一定期間の付加価値をカウントするフローの二つである。

例えば、個人の経済力を見たい時に、その人の「資産」がどのくらいかと考えるのはストックの概念、今年一年の「年収」がどのくらいかと考えるのはフローの概念と言える。その中でも、入試で頻出なのは後者の「フロー」の考え方であり、最低限以下の4つは暗記してもらいたい。

フローの概念

➀GDP(国内総生産):総生産量-中間生産物

まず最もオーソドックスな考え方が、このGDPである。これはある期間の「総生産量」から、その間に生じた「中間生産物」を除いた数字で算出される。中間生産物とは具体例でいえば燃料や材料費のこと。この数字が大きければ大きいほど生産活動が活発であり、経済力が豊かであると表される。

②GNP(国民総生産):GDP-海外からの純資産

次に紹介するGNPは、先ほど紹介したGDPから「海外からの純所得」を加えたもの。GDPは国内総生産と略すように、国内での経済活動しか計算していない。しかし現代では、海外で生産を行う日本企業も多くなっており、GNPの考え方なら、その分も計算に含めることができる。

③NNP(国民純生産):GNP-固定資本減耗

NNPは、先ほど紹介したGNPから「固定資本減耗」を除いたもの。固定資本減耗とは、機械・設備の買い替えやメンテナンスなどで減っていくお金を計算したもの。GNPにはこの固定資本減耗が含まれているが、これを取り除くことで純粋な新しい生産の分が計算できるとして産出されるのがNNPである。

④NI(国民所得):NNP-(間接税-補助金)

最後に紹介するNIは、NNPから(間接税-補助金)を除いたものである。これらは要するに、政府が関わるお金を指す。例えば「100万円の車を生産しました」といっても、その車には10%の消費税がかかり最終的には110万となる。逆に、実は政府が自動車企業へ手厚い補助をしており、50%分の補助金を出していたとしたら…車自体は50万程度の価値しかないことになる。このように、市場に出回る価格だけを見ると、より純粋な生産の価値がわかりづらい。そこで政府が関与するお金を除いたのが、NIの考え方である。

この4点は最低限覚えておきたい経済指標であるため、グラフから視覚的にも抑えておこう。

経済成長率の推移

 上で紹介したGDPやGNPを年ごとに算出し、その増減で経済成長率を示したグラフが入試ではしばしば登場する。このグラフ問題は、その場の読み取りだけでは解けず、最低限の知識が必要になってくる。

上のグラフの増減が大きくなっている点が狙われやすい。ポイントは全部で5つあるので、それぞれの時期の特徴を確実に覚えておこう。

➀高度経済成長期(1955頃~1974)

この時代は年平均10%の成長率を誇った、日本経済の急成長期である。神武景気や岩戸景気などの好景気が継続的に続いた時期であり、家電ブームや東京オリンピックによる公共投資増加が経済を支えた。

②石油危機(1973)

1973年には第一次石油危機が発生し、資源を外国からの輸入に依存していた日本は大きな打撃を受けることになる。狂乱物価と呼ばれるインフレが発生し、それを抑えるために経済政策を実施したが、翌年の1974年に戦後初のマイナス成長を記録することになった。この年が「高度経済成長期の終焉」と表現されることもある。

③安定成長期(1975頃~1980年代後半)

石油危機を乗り越えた日本は、省エネ・省資源をテーマに産業転換し、年平均4~5%の安定成長期に入る。海外向けの自動車輸出が流行した反面、アメリカとの貿易摩擦などの新たな問題も発生した。

④バブル崩壊~失われた10年(1990年代)

1980年代後半にバブル経済が崩壊してからは、日本経済の暗黒期となる。金融機関の破たんなども起こり、1990年代の10年間は「失われた10年」と呼ばれている。

⑤リーマンショック(2008~9年)

アメリカのリーマンブラザーズを発端に生じた「リーマンショック」は、世界中を巻き込む大不況を引き起こした。アメリカと経済関係が強い日本も大きな影響を受け、大幅なマイナス成長を記録した。2010年前後は東日本大震災も発生しており、日本経済にとっては振れ幅が大きな数年間となった。

以上の5点のポイントは最低限抑えておこう。これだけで入試問題に完全対応できるとまでは言えないが、ある程度の段階まで絞ることは容易にできるはずだ。

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