共通テスト 政経 過去問 19 市場のしくみ

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2021年から始まる共通テスト。従来実施されていたセンター試験より、思考力を問う問題が多くなる。読解すべき文章量が多くなり、持っている知識と結び付けて正解を導き出す必要がある。とはいえ、まず前提に知識がなければ解けないので、センター試験の過去問演習を通して知識の定着を目指しましょう。

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問1 地球環境は,非競合性と非排除性という性質をもつ公共財に分類されることがある。公共財の性質の一つである非排除性についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 他の人々の消費を減らすことなく,複数の人々が同時に消費できる。

② 価格が上がっても,需要量はあまり低下しない。

③ だれも利用を制限されない。

④ 供給量が不足しても,価格が変化しない。

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③【解説】③の説明が正しい。一般道路や公園などは対価を支払わない人でも利用できるものであり、このような特定の人を排除できない性質を「非排除性」という。

問2 市場の機能や限界についての説明として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 寡占市場では,市場による価格調整がうまく働くので,消費者が買いたいものが割安の価格になる。

② 生産技術の開発や生産の合理化によって生産費用が低下しても,価格が下方に変化しにくくなることを,逆資産効果という。

③ 鉄道のように初期投資に巨額の費用がかかる大型設備を用いる産業では,少数の企業による市場の支配が生じにくい。

④ 寡占市場で価格先導者が一定の利潤を確保できるような価格を設定し,他の企業もそれに追随するような価格を,管理価格という。

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④【解説】④は正しい。①寡占市場では自由競争が起きにくく、市場による価格調整がうまく働かない。②この現象を「価格の下方硬直性」という。③一部の限られた企業しか手を出せず、市場の支配は生じやすい。

問3 外部不経済の例として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 猛暑が続き,飲料メーカーの売上げが上昇した。

② ある企業の財務情報の不正が発覚し,その企業の株価が下落した。

③ 新しい駅の建設によって駅周辺の環境整備が進み,不動産価格が上昇し,不動産所有者の資産の価値が増加した。

④ 大規模娯楽施設の建設によって交通量が増え,近隣住民は住宅の防音対策をしなければならなくなった。

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④【解説】外部不経済とは、他の経済活動が市場を通さず直接悪い影響を与えること。①は猛暑により需要が高まった事例、②は不正が発覚したことで需要が減少した事例、③は駅の建設により不動産の需要が高まった事例であり、いずれも市場を通した事例となっている。

問4 市場の失敗の例として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① アパレル業者が,正規品として販売できないB 級品をアウトレットショップで安く販売した。

② スマートフォンなどの普及に伴い情報を簡単に取得できるようになったため,電子辞書の専用機器を製造する工場が閉鎖された。

③ 高級フルーツの人気が国外で高まり,その果物の作付面積が拡大して生産量と輸出量が増加した。

④ 周囲の反対運動にもかかわらずショッピングモールが建設され,自然豊かな里山が失われた。

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④【解説】市場の失敗とは、独占・寡占などにより市場の機能が働いていない状態や、外部経済・外部不経済のように市場を通さずに他の経済主体に影響を与える状態などを指す。④の事例は後者の外部不経済の典型的な例である。

問5 市場における非価格競争の例として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 同業他社との間でカルテルを締結して,生産量の割当てを行う。

② 人気俳優をテレビ広告に起用して,製品の販売拡大を図る。

③ 他社と同じ性能をもつ製品を,より安い値段で発売する。

④ 政府が定めた価格で,決められた規格の商品を販売する。

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②【解説】非価格競争とは、価格以外の面で他社と競争することであり、寡占市場においてよく見られる。②の他にも、パッケージのデザインや特典などで競争する例がある。

問6 公共財は,非競合性と非排除性とを有している財・サービスと定義される。非競合性についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 他の人々の消費を減らすことなく複数の人々が同時に消費できる。

② 需要が減少しても価格が下がらない。

③ 対価を支払わない人によっても消費される。

④ 生産を拡大すればするほど単位当たりの生産費用が低下する。

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①【解説】①の説明が正しい。

問7 寡占市場がもつ特徴についての記述として適当でないものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 管理価格とは,市場メカニズムによらずに,価格支配力をもつプライス・リーダーが人為的に決定する価格のことである。

② 価格の下方硬直性とは,生産技術の向上などで生産コストが低下しても,価格が下方に変化しにくくなることである。

③ 非価格競争とは,デザイン,広告・宣伝といった手段を用いて,価格以外の競争が行われることである。

④ カルテルとは,資本の集中・集積が進み,同一産業内での企業合併が起こることである。

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④【解説】企業合併のことはトラストという。カルテルとは価格、販売地域などにおいて協定を結ぶことを指す。

問8 市場の失敗を示す事例とは言えないものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 高層ビルが建設されたことによって,隣接する農地の日当たりが悪くなり,収穫量が減少した。

② ある都市の上下水道を複数の民間企業が運営していたが,他社が撤退したために,残る1社のみが価格と供給量とを決定するようになった。

③ アイスクリーム工場において,生産の効率化が進展した結果,アイスクリームの価格が下落した。

④ ある企業が灯台の経営を計画したが,航行する船からの料金徴収が難しいので,その計画を断念することになった。

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③【解説】③の例は、生産効率化により供給量が増加⇒価格が下落という市場の原理に沿っている。①は外部不経済の例、②は独占の例、④は資源の配分が実施できない例であり、いずれも市場の失敗の事例となる。

問9 法制度の整備・改革の一つとして,日本では1997年に独占禁止法の改正が行われた。その内容またはその後の状況についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 独占禁止法に基づいて設置されていた公正取引委員会が,廃止された。

② 戦後禁止されていた,事業活動を行わない持株会社の設立が解禁された。

③ 2000年代前半には,M&A(企業の合併・買収)の件数が急減した。

④ 2000年代後半には,六つの大銀行を中心とした企業集団が誕生した。

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②【解説】この独占禁止法改正については、よく問われる印象。②の部分は頻出なので覚えておこう。戦後の独占禁止法では持株会社の設立が禁止されてきたが、バブル崩壊後の不況の中で、競争力を得るために経営効率化の必要性が高まり、解禁されたという流れである。持株会社とは、子会社の株式を保有することで、大企業が中枢となり経営を効率よく行う会社のこと。

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